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アカデミー賞効果で『アーティスト』が初のベスト10入り!

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アカデミー賞効果で『アーティスト』が初のベスト10入り!

アカデミー賞で作品賞などを受賞した作品は、毎年受賞後に興行成績が伸びる傾向にあるが、今年もその例に漏れず、現地時間2月26日に開催された第84回アカデミー賞で作品賞を受賞したモノクロサイレント映画『アーティスト』(4月7日公開)が、昨年11月25日に公開されて以来、初めてベスト10入りを果たした。

ハリウッド・レポーター誌やboxofficemojo.comの情報によれば、アカデミー賞開催時に966館で公開されていた『アーティスト』は、作品賞の最有力候補と言われながら、興行成績は伸び悩んでいたが、授賞式翌日の27日に初めてトップ10圏内に入り、3月1日までは9位を死守。週末の金曜日には1756館に拡大公開されたが、新作の公開があったため、2日は12位、3日は11位とランク外になったが、4日には再び10位に返り咲いている。結果的に週末3日間の興行成績では11位となったが、対前週比で興行成績が24.8%アップし、アカデミー賞効果がはっきりと現れた結果となった。

昨年作品賞を受賞し、1億ドルを突破した『英国王のスピーチ』(11)とは違って、トータルで3681万ドルという数字は少々物足りない感があるかもしれない。しかし、製作費わずか1500万ドルのモノクロサイレント映画とあって、設定しているハードルも違っており、製作サイドは「この作品は遅咲きなので、最終的には4500万ドルくらいになると見込んでいる」と語っている。

ちなみに主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダン、監督賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウス監督の故郷フランスでは、ほとんど公開が終わっていたにもかかわらず、週末だけで180万ドルを稼ぎ出し、興行成績が2000万ドルに達したそうだ。

他に、アカデミー賞関連で大きく数字を伸ばしたのは、外国語映画賞を受賞した『別離』(4月7日公開)で、一般にまでなかなか情報が行き渡っていなかったことや、公開館数が83館から243館に拡大されたこともあり、前週比159.9%アップとなった。またメリル・ストリープが主演女優賞を受賞した『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)は作品そのものの評判が今ひとつだったこともあって興行成績が伸び悩んでいたが、メリル&アカデミー効果により、公開館数が11館減ったにもかかわらず、前週比22.4%アップとなった。

新作が2作品トップ10に初登場したほかは、トップ20圏内で興行成績が前週比を上回ったのは、『アーティスト』『別離』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の3作品のみ。何だかんだと批判はあるものの、はやりアメリカ人にとってアカデミー賞は鑑賞する作品を選択するうえでの大きな基準になっているようだ。【NY在住/JUNKO】

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