『戦火の馬』スピルバーグ監督「勇気というメッセージを伝えたかった」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『戦火の馬』スピルバーグ監督「勇気というメッセージを伝えたかった」

インタビュー

『戦火の馬』スピルバーグ監督「勇気というメッセージを伝えたかった」

第一次世界大戦を舞台に、少年と馬の絆を描いたスティーヴン・スピルバーグ監督による感動大作『戦火の馬』(公開中)。3月2日に公開され、2週間を経過したが、興行収入的には約4億円とスピルバーグ作品としては少し物足りなさを感じてしまうかもしれない。戦争映画ということで敬遠している方もいるのではないだろうか。確かに、本作は戦争が軸の一方にあることは間違いない。だが、もう一軸で人間と馬の、互いを信じる固い絆の物語が描かれているのだ。メインはあくまでこちらといえよう。

今回、スピルバーグ監督の約5分に及ぶインタビュー動画が届いたが、そのなかでスピルバーグは、本作のテーマについて「勇気というメッセージを伝えたかった」ときっぱり語っている。最も重要なキーワードは“勇気”であり、これはマイケル・モーパーゴの原作でも、脚本でもとても大きな位置を占めている。「映画全編に渡ってそのテーマが1コマ、1コマに息づいている」とスピルバーグが言うように、本作をその視点で鑑賞してもらうと、奥深い味わいを感じ取ることができるに違いない。

インタビューでは他に、主人公にジェレミー・アーヴァインを抜擢後、4ヶ月近くも他の候補者がいないか当たっていたことや、とにかく馬の安全性を最優先に考えて撮影の臨んだこと、英国人俳優のふたり、ベネディクト・カンバーバッチとトム・ヒドルストンのキャスティングについて等、多くのことを語ってくれている。非常に興味のわく内容になっているので、是非とも動画を見ていただきたい。

本作『戦火の馬』は、第84回アカデミー賞で作品賞をはじめ、撮影賞、美術賞、作曲賞、音響効果賞、録音賞の6部門でノミネート。残念ながら部門受賞はならなかったが、その実力をいかんなく発揮している作品だ。まだ劇場で鑑賞されていない方は是非ともご覧いただきたい。きっとラストシーンではその美しい描写と相まって感動させられるだろう。【Movie Walker】


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