月面着陸シーンの撮影は過酷だった! 岡田将生が語る『宇宙兄弟』撮影裏話|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
月面着陸シーンの撮影は過酷だった! 岡田将生が語る『宇宙兄弟』撮影裏話

インタビュー

月面着陸シーンの撮影は過酷だった! 岡田将生が語る『宇宙兄弟』撮影裏話

幼い頃に交わした「宇宙飛行士になる」という夢を叶えるため奮闘する兄弟の姿を描いた、人気コミックの映画化作品『宇宙兄弟』(5月5日公開)。本作で、兄に先駆け宇宙飛行士になった天才肌の弟・南波日々人(ヒビト)を演じるのが、『悪人』(10)、『プリンセス トヨトミ』(11)や大河ドラマ「平清盛」など、多数の話題作に出演する岡田将生だ。今回、彼に自身が演じた役どころや撮影時のエピソードについて話を聞いた。

“日本人で初めて月に立つ男”として世界中から注目を集めるヒビト。その人物像を岡田はどのようにとらえているのだろうか?「一言で言い表すなら“太陽みたいな人”ですね。知らず知らずのうちに周囲の人を元気づけて、自分自身もその人たちから愛されている。そして宇宙飛行士になってからも、いつか兄のムッタ(小栗旬)に自分を追い越してほしいと願っている、真っ直ぐな心の持ち主です」。

ヒビトを演じるに当たり、苦労した点を聞いてみると「これまでどちらかというと、大人しい雰囲気の役を演じることが多かったので、ここまで明るい人物を演じることになり、最初はかなり戸惑いました。色々不安もありましたが、キャラクターって現場で形作っていくところがあるので、森監督や小栗旬君からアドバイスをもらいながら、こつこつ役作りに取り組みました」と話してくれた。

「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」での初共演以来、小栗との交友関係が続いている岡田。本作で再共演が決まった時、どんなことを感じたのだろう?「小栗君は仕事でもプライベートでも、いろんなことで相談に乗ってくれるとても良い先輩です。初共演の時も色々教えてもらえて、すごく楽しかったので、また共演できることがわかった時は嬉しかったですね。僕は男兄弟がいないので、最初はムッタとヒビトの関係性がいまいちつかめなかったんです。でも小栗君と何度も話すうちに“兄弟の繋がり”みたいなものがわかってきて、それを上手く表現することができたような気がします」。

宇宙飛行士という役柄をリアルに演じるため、クランクインの直前まで肉体作りや英会話の練習に取り組んだという。だがその特訓は、残念(!?)な結果に終わったという。「まず、英語のレッスンを3ヶ月間みっちりやりました。そのおかげで英語もなんとか身についたし、言葉が通じない相手に感情を伝えるにはどうしたら良いか?ということについて考える良い機会にもなりました。それから役に合わせて体も大きくしようと思って、いろんなトレーニングも行いました。2ヶ月間で体脂肪が10%を切るくらいまで鍛えたので、わりと自信満々で本番に挑んだんですけど、宇宙服がとにかく暑いうえに重くて。しかも結構ハードに動き回るので汗をかきすぎて、たった2日でもとの体型に戻ってしまいました」。

様々な苦労を重ねつつ挑んだ月面着陸のシーンは、その甲斐あって非常に見応えのある仕上がりになっている。そんな宇宙シーンの撮影時の思い出は? 「あの宇宙服って通気性が悪くて、一度着てしまうとほとんど息ができないんです。しかも中はめちゃくちゃ暑いので、着ているうちに意識が朦朧としてきて、過呼吸になってしまうことが何回かあって。それがすごく怖かったんですけど、ヒビトならきっと、そんな状況すら楽しんでしまうんじゃないかって考えたら『何としても克服したい!』って気持ちになれて。そうしたら自然と頑張れるようになったので、今となっては辛かった分、良い思い出になっています」。

ムッタとヒビトのパートが交互に描かれる展開も特徴的な本作。完成した作品を見てどんなことを感じたのだろうか? 「撮影中はそれぞれのパートが別々に進行していたので、ムッタのシーンがどんな感じになっているのか、完成するまでわからなかったんです。でも全部のシーンが繋がった完成版を見たら、離れていてもお互いを思い合う兄弟の絆がすごく丁寧に描かれていて、胸が熱くなりました。ヒビトのことを思って奔走するムッタの芝居を見ているうちに、嬉しくて泣きそうになりました」と語ってくれた。

最後に、本作をどんな人に見てほしいか聞いた。「どの世代の方にも楽しんでいただける作品ですが、特に兄弟のいる人には絶対見てほしいですね。劇中では一貫して“夢って見ても良いんだ。持っても良いんだ”ということを描いているので、そこから夢を持つことの大切さを感じ取ってもらえると嬉しいです」。

夢の大切さ、その夢に向かって頑張る姿勢、そして兄弟の厚い絆を紡ぎ出した映画版『宇宙兄弟』。今の日本人にとって重要なものが本作には描かれている。もちろん、エンターテインメント性も失われてはいない。岡田将生と小栗旬、日本を代表する若手俳優の熱い演技を是非とも劇場で見てもらいたい。【六壁露伴/Movie Walker】

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