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第65回カンヌ国際映画祭オープニングを飾ったのは『Moonrise Kingdom』

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第65回カンヌ国際映画祭オープニングを飾ったのは『Moonrise Kingdom』

現地時間5月16日に開幕した第65回カンヌ国際映画祭。初日はオープニングを飾るコンペティション作品『Moonrise Kingdom』が上映された。

夜の公式上映に先立って行われた記者会見にはウェス・アンダーソン監督をはじめ、主役の12歳(撮影時)カップル、ジャレド・ギルマンとカラ・ヘイワード、ウェス・アンダーソン一家というべきビル・マーレイ、ジェイソン・シュワルツマン、ティルダ・スウィントン、そして今回加わったブルース・ウィリス、エドワード・ノートンらが参加、満員の記者たちの質問に答えた。

同作は1965年のアメリカ・ニューイングランド地方の島を舞台に、はみだし者の少年と少女が出会い、恋に落ち、駆け落ちを決行するという内容で、ウェス・アンダーソン版「小さな恋の物語」といったところ。といっても、ウェス・アンダーソンだから、どことなく変わっているところがミソだ。

少年はボーイスカウトのキャンプでサバイバル技術を会得、少女は少女向けの冒険ファンタジーを聖書のように愛読しているという設定。ふたりの逃避行は島の美しい入り江である“ムーンライズ・キングダム”を目指し、ずんずん進むのだ。

主役のふたりは今回が初めての映画出演となる。オーディションを勝ち抜いて出演、あれよあれよという間に、カンヌの会見に臨んでいるということで多少緊張気味だった。そうそうたる俳優たちが脇を固めているのだけれど、みんなが父親や母親のような面持ちでふたりの受け答えを見守っているのが何とも微笑ましかった。

午後には審査員たちの記者会見が行われる。今年の審査委員長はイタリアのナンニ・モレッティ監督。「できるだけ民主的に進めたい」と審査方針を語っていた。カンヌの審査は最終的に審査員長の鶴の一声という時も少なくないのだが、今年はどうなることやら。俳優が4人、監督が4人に、ジャン・ポール・ゴルチエというメンバーが選ぶ65回目のパルム・ドールの行方はいかに!? 決戦の火蓋は今切って落とされたのである。

なお、本作『Moonrise Kingdom』の日本での公開は2013年春を予定している。【シネマアナリスト/まつかわゆま】

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