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韓国世論を動かした『トガニ 幼き瞳の告発』のモデルの加害者に実刑判決!

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韓国世論を動かした『トガニ 幼き瞳の告発』のモデルの加害者に実刑判決!

映画を見ながら、思わず固唾を飲んだ衝撃作『トガニ 幼き瞳の告発』(8月4日公開) 。幼い障害者への性暴行事件という、このうえなく卑劣極まりない犯罪を扱ったこの韓国映画は、昨年9月に韓国で公開されてから460万人以上もの観客を動員。たちまち社会現象となり、その影響で法改正まで行われたという注目作だ。そのモデルとなった加害者に、7月5日、裁判所から懲役12年が言い渡された。まさに、映画の力を改めて知らしめた一作となった。

女子学生の手足を縛って性暴行した容疑(強姦致傷など)で起訴されていた前・行政室長に対して下されたのは、懲役12年の実刑で、加えて10年間の身元公開と電子足輪装着10年も命令された。今回の判決は検察が求刑した懲役7年よりも5年重い刑である。これは、権力を隠れ蓑にして、本来保護すべきはずの生徒に対し行った極めて悪質な犯行であること、そして被告が反省の色もなく犯行そのものを否定し続けている点を厳しく判断したというものだ。

この事件を題材にした『トガニ 幼き瞳の告発』では、「コーヒープリンス1号店」のコン・ユが、事件を告発していく教師役を熱演。えげつない性的暴行を受ける子役たちの悲痛な表情や、善人面をしながら子供たちを生き地獄におとしめていく校長と瓜二つの双子の弟である行政室長の嫌らしさ、薄気味悪さ、下劣さが出色である。

韓国では本作の公開後、子供への性暴力犯罪の処罰に関する改正案を“トガニ法”と名付けた。この法案は2011年10月28日に国会を通過し、見事、法律改正に至った。これにより、控訴時効が排除となり、再び審議された結果が今回の判決につながったという。裁判所は「事件が多くの人に知られるようになり、障害者への性暴行事件に対し厳罰を求める社会の声が大きくなった。そして国会ではトガニ法と呼ばれる法の改正もあった」と、映画の影響も大きかったことを明らかにした。

今回の判決に対し、『トガニ 幼き瞳の告発』の原作者コン・ジヨンは自身のツイッターで「犯した罪(の極悪さ)を考えると懲役12年では足りないくらいだが、求刑よりも重い刑になってありがたい」とコメント。一本の映画が、幼い子供たちの未来を救えたという事実が素晴らしい。原作者と本作を映像化したファン・ドンヒョク監督、そして演じた俳優陣はもとより、映画を見て立ち上がった韓国の人々にも敬意を表したい。【文/山崎伸子】

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