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『マダガスカル3』エリック・ダーネル監督、CGクリエイターを目指す学生へ「遅すぎるということはない」

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『マダガスカル3』エリック・ダーネル監督、CGクリエイターを目指す学生へ「遅すぎるということはない」

世界各地で冒険を繰り広げる動物アニメのシリーズ第3弾『マダガスカル3』(8月1日公開)のメガホンを取ったエリック・ダーネル監督が来日し、CGクリエイターを目指す学生たちへ特別講義を開講。デジタルの本場ハリウッドを目指し、未来の日本のCG界を担うデジタルハリウッド大学の学生たちが参加した。

同大学では世界中に多くの卒業生を輩出し、ドリームワークスアニメーションPDIスタジオで働く卒業生も本作の製作に参加している。開講前に実際に数々の賞を受賞、映画やゲームソフトのCGを数多く手掛け、同大学の小倉以索准教授が「子供の頃、少年野球をやっていたら、プロ野球選手が実際に指導をしてくれました。その時、小さい子供は“僕もこんなプロ野球選手になれたら良いな”と思って練習し、実際に野球選手になった人がいます。この中から5年、10年後に監督とお仕事をする学生が出てきたら、監督自身も嬉しいのではないでしょうか?」と話すと、学生たちは目を輝かせた。

エリック・ダーネル監督は本作で新たに挑戦したことに、初の3D作品制作を挙げ、「過去2作を見て、このシリーズを考え、3Dに向いているということに気付きました。監督をすると、どの作品にも言えますが、素晴らしい物語を上手く伝える苦労、たくさんの方が感情移入して愛してくれるキャラクターを作る苦労をしないと、3Dが素晴らしく、どんなに技術が美しく、アニメーションが優れても“ただの美しい画”で終わってしまって、皆さんの心に残らないものになってしまいます」と語りかけた。これまで『マダガスカル』シリーズで舞台にしてきた大自然とは違い、本作ではヨーロッパの美しい街並みを舞台にしており、エリック・ダーネル監督は「私たちの作風にはルールがあります。その一つは、平行の線を作らず、必ず軸から少し外します。ロケーション自体もキャラクターの一部になっています。たとえば、モンテカルロの街を登場させましたが、青い光、地中海、反射する影、町の情景がとてもアクションシーンに向いています。そして、ローマは色味としては、レンジやテラコッタが魔法のようなロマンスに適した場所なので、ジュリアンと熊が恋に落ちる部分を描いています」と明かした。

20代半ばからCGの勉強を始めたという学生に対し、エリック・ダーネル監督は「僕も本格的にアニメーションを学び始めたのが、27歳ぐらいでした。遅すぎるということはないと思います。なぜなら、自分が何を愛しているかに気が付いているわけですし、残りの人生をかけて好きなことを追求することにはルールも年齢制限もないと思います」とアドバイスを送った。「鉄腕アトム」「マッハGOGOGO」などを見て育ったというエリック・ダーネル監督は「『AKIRA』や宮崎駿監督作品を見ましたし、(日本のアニメは)とても好きです。私の娘も宮崎監督作品が大好きで、私が日本に出発する数日前に宮崎監督作品のDVDを全て並べて『天空の城ラピュタ』を見ていました。アメリカのアニメーション業界も宮崎監督から学べることは多くあると思いますが、女性の主人公を多く登場させることが一つ挙げられます」と、宮崎作品の魅力を語った。

全米をはじめ、全世界44ヶ国でNo.1スタートを切った本作。既に累計興収約3億6600万ドル(約293億円)を記録しており、8月1日(水)のファーストデーから公開される日本での興行収入にも期待が寄せられる。【Movie Walker】

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