『マダガスカル3』監督が、ターミネーター級の強敵キャラの秘話を語る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『マダガスカル3』監督が、ターミネーター級の強敵キャラの秘話を語る

インタビュー

『マダガスカル3』監督が、ターミネーター級の強敵キャラの秘話を語る

愛嬌たっぷりの動物たちの珍冒険を描く人気シリーズ第3弾『マダガスカル3』は、シリーズ初の3D映画となった。動物たちのスリリングなサーカスパフォーマンスや、シリーズ最強のスゴ腕女警部のスーパーアクションは思わず拍手もの!既に世界44ヶ国でNo.1大ヒットを記録した本作が、いよいよ日本でも8月1日(水)の映画の日に公開される。そこで、映画を数倍楽しめるように、シリーズを通して監督してきたエリック・ダーネル監督のインタビューをお届けする。

シリーズ初の3D映画となったが、特に気負いを感じなかったというダーネル監督。「もともと『マダガスカル』は、3D映像向きの作品だった。キャラクターたちが突拍子もないことをするし、特にメルマンという首の長いキリンのキャラクターもいたしね。今回は舞台がサーカス座ということもあり、3D映像がとても良い形で物語を盛り上げてくれたよ」。

本作で、アフリカにいたライオンのアレックス(声:玉木宏)たちは、故郷ニューヨークへ戻ろうとするも、ひょんなことからモンテカルロへ。ここで、彼らを捕まえようとする、動物公安局のデュボア警部のキャラクターが強烈だ。ドーベルマンのような臭覚と、ターミネーターばりの身体能力としつこさで、アレックスたちを追いかけてくる。「今回、とても力強い人間の悪役を登場させたかったんだ。デュボア警部は、動物的な感覚を持っていながら、それを普段は抑えていて、なおかつ動物嫌いってところが笑えるでしょ」。

字幕版でデュボア警部のボイスキャストを務めたのは、『ファーゴ』(96)で第69回アカデミー主演女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンドだ。「彼女は、この役のキャラクターに大きく貢献してくれたよ。動き方、歩き方をはじめ、エディット・ピアフの歌を歌うところもそう。彼女が歌を口ずさんだ時、それがとてもおかしく不気味に思えたから採用したんだ。彼女自身、自分の子供たちに『これが本当の私なの』なんて言ってたそうだ(笑)。アレックスたち動物の方が、彼女のキャラクターよりも人間味があるってところが面白いんじゃない?」

また、本作で面白いのが、わがままなキツネザル、キング・ジュリアンの恋だ。しかもお相手は、彼よりも体が数倍でかいサーカス座のクマである。ヒラヒラスカートを着ているが、そのボリューミーな巨体は愛らしいという形容も、“ドデーン”とか“ドスコイ”といった擬音語の方がしっくりとくる。「もともとジュリアンはうぬぼれ屋で、自分のことしか考えていない。そんな彼がもしも恋について一人で妄想したら?ってところからスタートしたんだ。最初は、実はこのクマが、知的な古典小説を読むような知的なキャラクターだったというオチも考えたんだけど、それは時間的な関係で見せられなかった」。

ふんだんに散りばめられた笑いと予測不能なストーリー展開で繰り広げられる『マダガスカル』シリーズ。3作を通して描かれているのは、自分の居場所探しかもしれない。「文字通り、どこに自分の身を置くかっていう物理的な場所よりも、誰と一緒にいることが重要か、自分が生きるうえで大切なことって何か?ってことだと思う。一作目でどこにいるかより、誰と一緒にいるかが大事なんだってことを伝え、二作目は自分らしくあることを模索する自分探しの旅を描き、三作目では自分にとって追求したいものは何かってことを探っていく。一番言いたいのは、人生というのは旅であり、目的地ではないってこと。本当に愛する人たちと一緒に過ごし、常にいろんなことにチャレンジしていくことが大事なんだと思う」。

『マダガスカル3』は、笑い、スリル、アクション、映像の迫力と、シリーズ最高傑作に仕上がった。アレックスたちの愉快な冒険に便乗し、暑い夏を乗り切りたい。【取材・文/山崎伸子】

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