周防正行監督、草刈民代や役所広司と共に、初のTIFF舞台挨拶|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
周防正行監督、草刈民代や役所広司と共に、初のTIFF舞台挨拶

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周防正行監督、草刈民代や役所広司と共に、初のTIFF舞台挨拶

『それでもボクはやってない』(07)の周防正行監督が、妻で女優の草刈民代と役所広司という『Shall we ダンス?』(96)の黄金トリオで撮った『終の信託』(10月27日公開)。第25回東京国際映画祭の特別招待作品である本作の舞台挨拶が、10月24日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。草刈、役所、周防監督の他、周防監督の従兄弟で音楽を手掛けた周防義和と、エンディング曲を歌った種ともこも登壇した。周防監督は「東京国際映画祭は観客として何度か来ているけど、自分の作品で舞台に立つのは初めてです」と挨拶をした。

ヒロインの呼吸器内科医・折井綾乃役を演じた草刈は「この映画を見る人の視点は様々ですが、どの方の感想も真摯で、見た人を深く考えさせる、そういう影響を与えてくれる映画になったのかなと実感しています」と力強くアピール。役所は綾乃のぜんそくの患者・江木秦三役。「僕の身近な感想としては、自分の終の信託を誰にどうやって伝えていこうかと考えたということでした」と語った。

朔立木の同名小説を映画化した理由について、周防監督はこう説明した。「映画にしたいと思った一番の理由は、終末医療、終活、刑事司法ではなく、小説が描いている、人と人が向き合った時の空気感を映像表現したいと思ったから。もちろん終末医療や刑事司法も重要でしたが。そして今、終活という問題がたまたま社会問題化していますが、それは偶然の一致です。でも、まさに僕が日本人で、社会の動きってものがどこか僕に影響を与えている、いつも映画を作る時、そういう空気をしっかりと呼吸して映画を作りたいと思っているからだと思います」。

その後、周防義和と、種ともこが登場。これまで周防監督作の音楽を何度も手掛けてきた周防義和は「周防組へ行くと、僕は監督の従兄弟なので、この年でも義和さんと、ファーストネームで呼ばれます(笑)」とおちゃめに挨拶した後、「映画は深い題材なので、大きな意味で楽しんでほしいです」とコメント。種も「誰でも死にます。皆さんが自分のこととして見てもらえる映画じゃないかと思ってます」と語り、最後に周防の演奏でエンディング曲「遠く、そして近く」を熱唱した。

『それでもボクはやってない』では、主要映画賞30冠に輝いた周防正行監督。『終の信託』では、いち早く第36回山路ふみ子映画賞を受賞。見終わった後、“終の信託”というタイトルが、ずっしりと胸に響く本作を、しかと受け止めてほしい。 【取材・文/山崎伸子】

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