スポーツとして親しまれているサーモンフィッシングを砂漠でやっちゃう!?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
スポーツとして親しまれているサーモンフィッシングを砂漠でやっちゃう!?

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スポーツとして親しまれているサーモンフィッシングを砂漠でやっちゃう!?

川で生まれ、成長の場を求めるかのように海へと旅立ち、子孫を残すために生まれた川へ再び戻り、そこで一生を終えるドラマチックな魚、それがサケだ。しかし、日本においての漁業従事者以外のサケ漁は、その漁業資源としての重要性から1995年より開始された「忠類川サケ・マス有効利用調査」という名目で行われている北海道標津町での有料サーモン釣り以外では、様々な規制があるのが現状だ。

一方、世界では様々な国でサーモンフィッシングはスポーツとしてとらえられていて、特にカナダのブリティッシュコロンビア州やアメリカのアラスカ州、イングランドとスコットランドの境界線近くを流れるツイード川などは、世界中の釣り愛好家の憧れの地として知られている。

川をダイナミックに遡上してくるワイルドなサケを地元で釣り上げてみたい。そんな夢を抱いたのがイギリス人やアメリカ人ならば誰もが「そうだね」と共感するだろう。しかし、それをイエメンの大富豪が言い出したうえに、イギリスの専門家たちに「力になってくれ」と依頼したなら?そんな無理難題を実現させるために人生を懸けて奮闘する人々の姿を描いたイギリス生まれの人気小説「イエメンで鮭釣りを」を映画化したのが、12月8日より公開中の『砂漠でサーモン・フィッシング』だ。

タイトルだけ見ると、オイルマネーを持て余す大富豪のわがままに振り回される小市民の悲哀を描くコメディ、といったストーリーを連想してしまいがちだが、本作は大富豪のありえない夢の裏側にある、深い郷土愛に感銘を受けた人々が奇跡を起こしていく姿を、コミカルかつドラマティックに描いた、感動のヒューマンドラマなのだ。Eメール、日記、新聞・雑誌などの様々な文書で構成された斬新さから、映画化は不可能と言われていたこの小説を、『スラムドック$ミリオネア』(08)で第81回アカデミー脚色賞を獲得したサイモン・ボーファイ&『親愛なる君へ』(10)などヒューマンドラマの傑作を生み出し、日本でも人気の高いラッセ・ハルストレムがメガホンを取るといった豪華な布陣で映画化。奇想天外なプロジェクトの顛末やジョーンズ博士とハリエットの恋の行方、博士と富豪シャイフとの友情がそれぞれ見事なユーモアで結びつき、感動のクライマックスへと観客を導いていく。

砂漠で鮭釣りという壮大で無謀な夢にチャレンジする物語を、イギリス映画界を代表するスターが演じていることも話題の一つだ。魅力的な登場人物が織りなす心温まるヒューマンドラマで、今年の冬は笑いと驚き、そして感動を心ゆくまで味わってほしい。【トライワークス】

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