『グッモーエビアン!』の麻生久美子と大泉洋がそれぞれの“家族観”を語る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『グッモーエビアン!』の麻生久美子と大泉洋がそれぞれの“家族観”を語る

インタビュー

『グッモーエビアン!』の麻生久美子と大泉洋がそれぞれの“家族観”を語る

元パンクロッカーの母アキと、真面目な女子中学生の娘ハツキ、そして、ふたりの同居人で、2年に渡る放浪の旅から突然戻った“自由人”ヤグの3人が織りなす、一風変わった“家族”の物語を描いた『グッモーエビアン!』(12月15日公開)。今までの役にはない“ロックな母親”に挑戦した麻生久美子と、自身のキャラクターさながら、どこまでも自由で真っ直ぐな男ヤグを演じた大泉洋に、それぞれの“家族観”について語ってもらった。

本作で、母親に「自分のことは自分で決めな」と育てられた娘のハツキは、とてもしっかりした娘に成長する。それぞれ生まれて間もない娘がいるふたりは、自分の娘にどんなふうに成長してほしいと思っているのだろうか。

今年5月に娘を出産したばかりの麻生は、アキのような潔い子育てに憧れを持っているという。「娘には、自由に自分の道は自分で決めて育ってほしいです。礼儀があって、優しい子になってほしい」。同じく1才の娘がいる大泉も、アキ風の子育てには賛成のよう。「アキちゃんのように育てられれば良いなとは思いますけどね。自由にしなさいって言いながらも、たぶんこの人は礼儀だったり、人の心みたいなものはちゃんと伝えて育てたんでしょうしね。ヤグにしたって、非常に自由に好き勝手やる人だけども、この人は“善”な人なわけですよね。だから反発はしながらも、目の前にいるすごく良い人たちを見て育ったから(ハツキは)素直なんだろうな、と思うんです。できればそういうふうに育てたいと思っています」

格好良いアキと、自由で“善”なヤグ。個性的なキャラクターを演じたふたりだが、それぞれの魅力はどこにあるのだろうか。大泉は「アキちゃんは、誰しもが憧れる感じじゃないかな、と思いますけどね。すごく格好良いし、『あんたの人生だからあんたが決めな』っていう潔さもあるし。でも、映画の中で弱さもちゃんと見せてくれるじゃないですか。男にとってはたまらないですよね、なんて可愛い、ってね。ちょっと酔っぱらって文句言って寝ちゃうとかね、かわいいですよ」と答えると、麻生も「ヤグの魅力は、いつまでも少年らしさが残っていて、成長しても、大切な部分をちゃんと失わないでいるところ。そういうところにきっとアキは惹かれているんだろうし、やっぱり側で見ていたくなりますよね。私はアキほど心が広くないので、こんなに応援はできないと思うんですけど」と微笑む。

自由で人を惹きつける不思議な魅力を持ったヤグだが、自分たちの娘がヤグのような男性を連れてきたら?という質問には、ふたりそろって「絶対駄目!」と猛反対だ。「猛反対だね。だって、働いてないだろう!って。ヤグみたいな子を連れて来ないように育てなきゃいけないんだよ、ね!?(自分の)娘の名前を決める時に、恋愛運が良い名前を付けよう、っていうのはありました。女の子なので、どうしても男に左右される部分も大きい。良い家庭を持てるようにと思ってね。良い男の人を捕まえられる賢い人になってほしいな、という思いはあります」と、大泉は独特の“家族観”を披露してくれた。

メガホンを撮った山本透監督も、とても温かい、家族思いな人だったそうだ。「監督は、家族をとても大事にしてる方。『家族のお話で、優しい映画を撮りたい』って一番初めに仰って。監督の子供の学校で起こったことを書いた手紙をもらったんですよ」と麻生が思わぬ告白をすると、「僕は手紙をもらっていない…」と少々ジェラシーを感じていた大泉。「監督もお子さんがたくさんいて、見るからに優しいんだよね。見た目はちょっとこう、ロックな感じでね、若干怖そうではあるんだけど、優しさがにじみ出ている人ではあるんですよ。現場もえらい和やかだったもんね」

型破りながらもお互いを思いやり、愛情あふれる家族の姿に、「こんな家族があっても良いんじゃないか」とほっこりさせられる本作。私生活でも娘に対して愛情たっぷりのふたりと、監督が紡ぐ素敵な言葉が魅力の本作を見て、改めて家族について考えてみてはいかがだろうか。【Movie Walker】

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