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「弾はまだ残っとるがよう」色あせない名セリフ数々が40周年で再びスクリーンに

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「弾はまだ残っとるがよう」色あせない名セリフ数々が40周年で再びスクリーンに

2012年11月、菅原文太が約半世紀にわたる俳優活動の引退を表明した。奇しくも2013年は、彼の代表作にして日本映画史に残る実録映画「仁義なき戦い」シリーズのオリジナル第1作(73)から40周年に当たる記念すべき年。俳優・菅原文太が再評価されそうなメモリアルイヤーなのだ。

オリジナルシリーズは『仁義なき戦い』(73)、『仁義なき戦い 広島死闘編』(73)、『仁義なき戦い 代理戦争』(73)、『仁義なき戦い 頂上決戦』(74)、『仁義なき戦い 完結編』(74)の5作品。わずか1年半の間に5本も公開されていたとは、今振り返っても恐ろしいほどの密度と熱量を感じる。若き日の菅原文太、松方弘樹、小林旭、宍戸錠らがにらみをきかせて、広島の方言と暴力団特有の言葉づかいで罵り合う姿は、40年を経た現在でも色あせることがない。次々と繰り出される荒々しいセリフの応酬は、本シリーズの魅力だ。

たとえば、1作目の「山守さん、弾はまだ残っとるがよう」は、極道の男気とは何たるかを表す決めセリフだ。「格好つけにゃあ、ならんですけん」(2作目)や「この辺で男にならんと、もう舞台は回ってこんぞ」(4作目)といった、男の生き様を語るセリフにはしびれること必至だが、「知らん仏より、知ってる鬼の方がましじゃけんのう」(3作目)や「お前ら、かまわんけ、そこらの店ササラモサラにしちゃれい」(5作目)に至っては、思わず真似て口に出してみたくなる男の美学がてんこ盛り。鑑賞後、数日は脂ぎった男たちのギラギラした表情が頭から離れないことだろう。

そんな男気あふれる魂の映画「仁義なき戦い」40周年を記念して、池袋新文芸坐では5部作一挙上映オールナイトが1月12日(土)に開催される。また、同劇場では1月12日(土)から18日(金)まで、「仁義なき戦い」の生みの親・深作欣二没後10年として、特集上映「深作欣二の終わりなき戦い」も開催。初期作品『黒蜥蜴』(68)から『バトル・ロワイヤル 特別編』(01)までの代表作を14本、稀代のフィルムメーカーの軌跡を「仁義なき戦い」と併せて楽しめる好企画となっている。

豪華特典つきの「仁義なき戦い」Blu-ray BOXも3月21日(木)に発売されるなど、注目度が高まりつつあるなか、今一度、これらの名作群を劇場で体感してみてはいかがだろうか。【トライワークス】

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