山田孝之、ヨコハマ映画祭授賞式に金髪の正装姿で会場騒然!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
山田孝之、ヨコハマ映画祭授賞式に金髪の正装姿で会場騒然!

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山田孝之、ヨコハマ映画祭授賞式に金髪の正装姿で会場騒然!

映画ファン主催のユニークな映画祭・映画賞として人気を博しているヨコハマ映画祭の第34回授賞式が、2月3日に横浜の関内ホールで開催。主演男優賞受賞の『テルマエ・ロマエ』の阿部寛や、『夢売るふたり』の松たか子ら豪華ゲストが登壇した。なかでも山田孝之は役作りのための金髪で登場し、会場を驚かせた。

2012年、急逝した森田芳光監督を偲ぶと共に功績を讃え、従来の新人監督賞は、今回より森田監督の名前を冠した森田芳光メモリアル新人監督賞と名前が改められた。同賞を受賞した『かぞくのくに』のヤン・ヨンヒ監督は「私たちの間で、忘れられない日本映画として必ず出てくるのが『家族ゲーム』(83)です」と語ると、同じく新人監督賞の受賞者である『その夜の侍』の赤堀雅秋監督も『家族ゲーム』について「何十回見たかわからない。自分の体の細胞、血肉になっていると思います」と語った。

会場をあっと言わせたのは、金髪で登壇した山田孝之。『その夜の侍』『のぼうの城』『悪の教典』で助演男優賞を受賞した。山田は「いろんな偉い人たちにゴマをすって、いろんな作品に出たおかげで、何とかひっかかって。さすがはヨコハマ映画祭、見る目があるなと」と爆弾発言をした後、「すみません。嘘です」と会場を笑わせた。また、「映画ファンの皆さんが選んでくれたってことで嬉しかったです。あまり政治的なパワーを感じなくて」と皮肉めいたコメントをすると、会場は大爆笑。

『テルマエ・ロマエ』で主演男優賞を受賞した阿部寛は横浜出身ということもあり大喜びだ。「古代ローマ人という高いハードルでしたが、持ち前のでかい肉体に感謝したいし、この会場にいられたことがとても嬉しいです」とおちゃめにスピーチ。『夢売るふたり』で主演女優賞を受賞した松たか子は「西川(美和)監督のチャレンジ精神と、阿部サダヲさんの存在のおかげです。また、スタッフさんや素敵な人々に囲まれてお芝居ができてとても幸せな作品でした」と晴れ晴れとした表情で挨拶した。

日本映画ベスト1の作品賞、監督賞、撮影賞(近藤龍人)、最優秀新人賞(橋本愛)を合わせて4冠を獲得した『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督は、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)で第29回の同映画祭新人監督賞受賞以来の登壇となった。「この映画は、観客の皆さんにどんどん育ててもらった映画だと日々、実感してます。映画が観客のものになるってのはこういうことなんだなと」。

印象深かったのは、特別大賞を受賞した『この空の花 長岡花火物語』の大林宣彦監督の言葉だ。「私と妻とはプロデューサーと監督という関係で自分の信じる映画をずっと作り続けてまいりましたが、3月11日に心が真っ白になった。でも、そういう時こそ映画の力が湧いてきます。映画は発明品です。まだまだ無限の映画の可能性がいっぱいある。3月11日に表現の基盤が全て崩壊したなかで、正直に映画に向かい合って見ようと思い、たどり着いたのがこの映画です」。

いつもながら、映画ファンたちが温かい眼差しで心から受賞を称える雰囲気が心地良かったヨコハマ映画祭。森田監督の妻で、プロデューサーでもある三沢和子は「久しぶりに伺って、ヨコハマ映画祭は新鮮な映画、普通は見逃されるような良い映画を選んできた映画祭だってことが思い出されました」と語っていたことも感慨深かった。【取材・文/山崎伸子】

【第34回ヨコハマ映画祭受賞結果】

■日本映画ベストテン第1位『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督監督)、第2位『鍵泥棒のメソッド』(内田けんじ監督)、第3位『この空の花 長岡花火物語』(大林宣彦監督)、第4位『終の信託』(周防正行監督監督)、第5位『おおかみこどもの雨と雪』(細田守監督)、第6位『ヒミズ』(園子温監督)、第7位『かぞくのくに』(ヤン・ヨンヒ監督)、第8位『夢売るふたり』(西川美和監督)、第9位『僕達急行 A列車で行こう』(森田芳光監督)、第10位『ふがいない僕は空を見た』(タナダユキ監督)、第10位『わが母の記」(小林政広監督)、時点『愛と誠』(三池崇史監督)

■作品賞:『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督) ■監督賞:吉田大八(『桐島、部活やめるってよ』) ■森田芳光メモリアル新人監督賞:赤堀雅秋(『その夜の侍』)、ヤン・ヨンヒ(『かぞくのくに』) ■脚本賞:内田けんじ(『鍵泥棒のメソッド』) ■撮影賞:近藤龍人(『桐島、部活やめるってよ』) ■主演男優賞:阿部寛(『テルマエ・ロマエ』) ■主演女優賞:松たか子(『夢売るふたり』) ■助演男優賞:山田孝之(『その夜の侍』『のぼうの城』『悪の教典』) ■助演女優賞:安藤サクラ(『愛と誠』『その夜の侍』) ■最優秀新人賞:窪田正孝(『ふがいない僕は空を見た』『はさみ hasami』)、橋本愛(『桐島、部活やめるってよ』『Anotherアナザー』『ツナグ』『HOME 愛しの座敷わらし』)、三根梓(『シグナル 月曜日のルカ』) ■審査員特別賞:『おおかみこどもの雨と雪』細田守監督とその制作チーム ■特別大賞:大林宣彦(数々の秀作傑作を送り出し、今もなお『この空の花 長岡花火物語』という大問題作を世に問われた、若々しい名匠に映画ファンより最高の敬意をこめて)

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