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アカデミー賞ノミネート7作がオリジナルキャストだったら!?

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アカデミー賞ノミネート7作がオリジナルキャストだったら!?

現地時間2月24日(日)に開催される第85回アカデミー賞授賞式を前に、各メディアでは受賞予測報道が過熱しているが、そんななか、各賞にノミネートされている7作品について、ちょっと面白い比較がある。

映画の世界では、オリジナルキャストが製作の時期や相手役、脚本、監督の変更などによって変わることは珍しくないが、作品賞やその他のカテゴリーでノミネートされている『リンカーン』(4月19日公開)、『ジャンゴ 繋がれざる者』(3月1日公開)、『世界にひとつのプレイブック』(2月22日公開)、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(公開中)、『レ・ミゼラブル』(公開中)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(公開中)、そしてなぜか作品賞には選ばれなかったが、ホアキン・フェニックスが主演男優賞、フィリップ・シーモア・ホフマンが助演男優賞、そしてエイミー・アダムスが助演女優賞にノミネートされている『ザ・マスター』(3月22日公開)も、もともと違うキャストが予定されていたというのだ。

たとえば『リンカーン』は、作品賞、監督賞など7部門を受賞した『シンドラーのリスト』(93)でスティーヴン・スピルバーグ監督とタッグを組んだリーアム・ニーソンがリンカーン役を演じるはずだったのは有名な話だ。製作が延び延びになってしまったことで、リーアムが「リンカーンを演じるには年を取りすぎた」とオファーを辞退したことから、最終的にダニエル・デイ=ルイスが同役に納まった経緯がある。

もしも、これら7作品がオリジナルキャストだったら、オスカーレースも随分と違ったものになっていただろうという前提で、nextmovie.comがポスターをオリジナルキャストに編集し直して紹介している。

『ジャンゴ 繋がれざる者』でジャンゴ役を最初にオファーされたのは、ジェイミー・フォックスではなく、ウィル・スミスだった。レオナルド・ディカプリオとクリストフ・ヴァルツは代わっていないが、その他にはケビン・コスナー、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、サシャ・バロン・コーエンがオファーされていたようだ。

『レ・ミゼラブル』は、ジャン・バルジャンのヒュー・ジャックマン以外は、かなりキャストが異なっている。ラッセル・クロウが演じているジャベールにポール・ベタニー、アン・ハサウェイが演じているファンティーヌ役にはジェシカ・ビール、アマンダ・サイフリッドが演じているコゼット役にはエマ・ワトソン、エディ・レッドメイン扮するマリウスに思いを寄せるエポニーヌ役には、テイラー・スウィフトの名が挙がっていたが、最終的にはサマンサ・バークスが同役を射止めている。

無名の俳優ばかりを使った『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』には、当初、トビー・マグワイアが出演していたにもかかわらず、アン・リー監督がスパイダーマンのイメージが強いトビーの存在が突出してしまうのを恐れ、出演シーンをカットした。また、『ザ・マスター』は、主演のホアキン・フェニックスではなく、ジェレミー・レナー、エイミー・アダムスではなくリース・ウィザースプーンが第一候補で、『ゼロ・ダーク・サーティ』でCIAエージェントのマヤを演じていたのは、ジェシカ・チャステインではなくルーニー・マーラだったかもしれない。

『世界にひとつのプレイブック』に関しては、助演男優賞と助演女優賞を受賞したデヴィッド・O・ラッセル監督作『ザ・ファイター』(10)で主演と製作を兼ねたマーク・ウォールバーグがブラッドリー・クーパー扮するパッド役に、ジェニファー・ローレンス扮するティファニー役にはアン・ハサウェイに白羽の矢が立っていた。また、コメディ俳優のヴィンス・ヴォーンとズーイー・ディシャネルというパターンもあったそうで、こちらは少々驚きだが、この組み合わせの場合は、作品の仕上がりにかなり大きな違いが出ていたことが容易に想像できる。

キャスト一人の違いによって、作品全体の印象が変わるのはもちろんだが、オリジナルキャストでも多くのケースで実力派俳優に白羽の矢が立っていることから、アカデミー賞にノミネートされていたかもしれない。しかし、最有力候補になったかどうかや、作品や各部門の力関係は大きく変わってきたはずでとても興味深い。できればオリジナルキャストで製作された作品も見てみたいものだ。【NY在住/JUNKO】

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