オスカー受賞監督、滝田洋二郎が須賀健太を絶賛!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
オスカー受賞監督、滝田洋二郎が須賀健太を絶賛!

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オスカー受賞監督、滝田洋二郎が須賀健太を絶賛!

『おくりびと』(上映中)で、第81回アカデミー賞外国語映画賞の受賞も記憶に新しい滝田洋二郎監督。多くの人々が注目する新作は、累計販売部数4000万部を超える矢口高雄の名作コミックを実写映画化した『釣りキチ三平』(3/20公開)だ。

本作では、大自然の中で、伝説の巨大魚を追い求める天才釣り少年・三平の冒険と成長が描かれる。そこで、名古屋を訪れた滝田洋二郎監督と三平に扮した須賀健太に“釣り”の魅力や作品の見どころを語ってもらった。

「原作はリアルタイム(73年から連載)で読んでいた」と明かした滝田洋二郎監督は、観客に“釣り”の醍醐味を体感してもらいたいとの思いから、ライブ感を重視。天才的な釣りのテクニックを披露する三平役の須賀健太をはじめ、アメリカで活躍するバスプロ、鮎川魚紳役の塚本高史や、和竿作りの名人で三平の祖父、一平役の渡瀬恒彦にも役同様の腕前を要求したそう。

また、そのこだわりは水中を泳ぐ魚にまで注がれ、伝説の大岩魚こそCG&VFX(『ALWAYS 三丁目の夕日』のスタッフが手掛ける)なものの、釣り上げる魚や水中を泳ぐ魚は「全部本物」なのだそう。「魚が餌に喰らいつく瞬間をどうしても撮りたかったし、魚のピチピチした感じを出したくて、本物にこだわりました。魚はお芝居をしないけれども、口をパクパクさせてるだけでリアルさが出る。大変でしたけど、いい絵が撮れたんじゃないかな」

三平役を演じた須賀健太も「それがいい緊張感になってました。失敗する毎にどんどん魚は弱っていくし、魚を取り替えたとしても、川の流れや風向きといった自然の雰囲気が変わって全部台無しになってしまう事もある。一発でどれだけいいものができるかという撮影でした」とその撮影を振り返った。これには「大人の発言ですね」と、監督もニンマリ。

続けて滝田監督は「なにより須賀健太という、三平をやるために生まれてきたような少年が現れたのが大きいですよね。今しかない輝きを掬い撮ることが出来て本当に嬉しい」と、須賀に惜しみない賛辞を送る。

須賀健太といえば『ALWAYS〜』シリーズ(05〜)や『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(06)など、作品ごとに違う存在感を放ち、キャラクターを確立させている。そんな彼にとって、今回の撮影は“初めて”づくしだったのだとか。

「川釣りをしたのも初めてだったし、夜泣谷の源流へ向かう冒険も初めて。朝食のシーンで、口がカピカピになるまで卵ご飯を食べたのも、今回が初めて。どれもいい思い出過ぎて“いちばん”なんて選べないぐらい。でもあえて挙げるなら、初めて夜泣谷を見た時は、自然がとても綺麗で日本にもまだこんな場所があったんだと嬉しくなりました」

撮影前から、半年に渡り竿さばきやキャスティング(釣りの仕掛けを遠くに投げること)、鮎の友釣りなどの練習をしたという須賀に、どっぷりと浸かった“釣り”の魅力を問うとこんな答えが返ってきた。

「魚が針をパクっと喰った時のググッとくる感触、釣り上げるまでの魚とのバトル、そして釣れた後の達成感! 地味と思ってた“釣り”に対する考え方が180度覆った撮影でした」

最後は滝田監督がこんな言葉で締めくくった。「『バッテリー』(06)『おくりびと』『釣りキチ〜』と3本続けて地方で撮影しましたが、地方にしかない魅力を感じるんです。今回は、地元の人も入ったことのないような所で撮影したんですけど、緑の持つ力や水の美しさを改めて実感して、ますます『まだ見ぬ日本を撮ってみたい』と思うようになった。本作も“日本の良さ”にはこだわったつもりです。原作とはちょっと違う映画ならではの“三平”を感じていただきたいです」【MovieWalker/大西愛】

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