要潤が明かす、『劇場版タイムスクープハンター』撮影で起きた大ハプニングとは!?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
要潤が明かす、『劇場版タイムスクープハンター』撮影で起きた大ハプニングとは!?

インタビュー

要潤が明かす、『劇場版タイムスクープハンター』撮影で起きた大ハプニングとは!?

NHKのテレビシリーズ『タイムスクープハンター』の映画化が実現。『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』となって、8月31日(土)より公開される。そこで、シリーズを通して主人公の時空ジャーナリスト・沢嶋雄一を演じている要潤にインタビューを敢行!映画の見どころやシリーズの人気の秘訣を聞くことに成功した。

本シリーズは、主人公の沢嶋が、歴史に埋もれた名もなき人々に密着取材する姿をドキュメンタリータッチで描く異色の歴史教養番組だ。2008年のパイロット版から、2013年のシーズン5までが放送され、幅広いファン層を獲得している。映画化の感想を聞くと「それをひとつの節目としてやってきたので感慨深いですね」と嬉しそうな表情を浮かべた。「僕が中尾(浩之)監督と出会ったのも映画でしたし、監督と『こういうエピソードが映画になったら面白いよね』と話すことも多かった。『いつか映画にしないと』という気持ちがずっとあったんです」。

待望の劇場版では、沢嶋が本能寺の変による混乱が続く京都にタイムワープ。謎に包まれた“安土城焼失”の真相に迫る。「今回は、タイムスクープ社の内部も詳しく明かされますし、3つの時代を行き来するのは、映画ならではの見どころだと思います。ジェットコースターのような映画になりました」と醍醐味をアピール。さらに「安土城焼失の謎というのは、本来、沢嶋が所属する第二調査部ではなく、歴史的に有名な出来事を扱う第一調査部の仕事なんです。今回は、誰もが知っている安土城の出来事を間口にしていますが、そこから浮かびあがるのは、やはり名もなき人々のドラマなんです」と言うように、本シリーズの魂はしっかりと健在だ。

足掛け6年に渡って、本シリーズに携っている要。「僕の俳優人生の半分を占めているんです。すごいですよね!小さくやってきたことがだんだん広がっていって、多くの方が存在を知るシリーズになっていったことが本当に嬉しくて。社会科の授業でも見てくれているらしいですから!そういう話を聞くと、やってきたことが間違っていなかったんだなと思います」とうなずくが、人気の秘訣を聞くと「飽きさせないストーリー展開と、お決まりのオープニング、エンディングがコアなファンを惹き付けたんじゃないかな」と分析する。

「飽きさせないストーリー展開」と話すように、「一体、何が起きるのか?」という“ざわざわ感”が本シリーズの楽しみのひとつだろう。「予定調和ではないこと、ハプニングが起きそうな空気感を作るようにしているんです。台本はもちろんありますが、カメラマンさんがどこで何を撮るのかは、僕にも一切知らされません(笑)。リハーサルもありませんし、基本、照明も音声の機材もなしでカメラ1台で撮りますから、360度の視点でカメラが動けるのも大きいと思います。セリフを一言も発していない人も撮られている可能性がありますし、演者がリアルに戸惑ったり、驚いたり、焦ったりしている、その一瞬、一瞬を切り取っているんです」。

劇場版の撮影中に起きたハプニングを聞くと、「安土城に攻め込むシーンを撮影した日に、台風が直撃しました」と笑う。「どんな大きな扇風機や、長いホースを持ってきても表現できないような暴風雨でした(笑)。でも史実としても、その日は雨が降っていたそうなんです。撮影的にはかなりハードでしたが、臨場感あるシーンが撮れて、気持ちとしては嬉しかったですね」。激動の雰囲気を見事にとらえた、迫力の映像にも注目だ。

シリーズを通して、名もなき人々のたくさんの生き様を追いかけているが、刺激を受ける点などはあるだろうか。「時代が違えども、感じることや心に響くことは同じなんだなと。江戸時代の人々が感動していたことには、我々も感動する。人間のルーツというのは、結局、一緒なんだと思うんです。感じるのは、『愛なくして、人は語れない』ということ。恋愛、家族愛、友情など、人を動かすのは、やっぱり愛なんだと思います」。

憧れの歴史上の人物は「土方歳三」という要。最後に、理想の人生の歩み方を聞いてみた。「司馬遼太郎先生が書いた『燃えよ剣』の一人舞台を、3年ほどやらせてもらっているので、そういった意味でも、土方歳三は思い入れの多い人物ですね。彼の泥臭いほどの男らしさ、思ったことは曲げないところに憧れます。僕も男らしく、信念を曲げずに歩んでいきたいですね」。【取材・文/成田おり枝】

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