『キャプテンハーロック』で小栗旬が三浦春馬に感じたたくましさ|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『キャプテンハーロック』で小栗旬が三浦春馬に感じたたくましさ

インタビュー

『キャプテンハーロック』で小栗旬が三浦春馬に感じたたくましさ

小栗旬と三浦春馬。俳優として、それぞれの世代のトップランナーとして走り続けるふたりが、巨匠・松本零士のSFエンタテインメントの金字塔を映画化した『キャプテンハーロック』(9月7日公開)で声の共演!小栗はタイトルロールのハーロック役、三浦は新人クルーのヤマ役の声優を務めた。『APPLE SEED アップルシード』(04)の荒牧伸志監督ら日本のトップクリエイターたちが、総製作費3000万ドルをかけ、2D・3D映像でリブートした本作。小栗と三浦にインタビューし、声優の仕事の舞台裏と、本作に懸けた思いを聞いた

宇宙海賊キャプテンハーロックといえば、男がほれる男、男の中の男を具現化した、世界的な人気キャラクターだが、小栗はどうアプローチしていったのか?「真似をしたところでしょうがないし、もしも真似をするのなら、僕じゃないだろうと。プレッシャーがなかったと言えば嘘になりますが、全く新しい感じで作り上げるものに参加するということで、僕なりにできることをやっていくしかないと思いました」。三浦は、本作で初めてアフレコにトライした。「3年くらい前から、声優の仕事をやってみたいと思っていたので、今回、こんなに大きな素晴らしい歴史のある作品に関われて、とてもうれしかったです」。

完成した3D版を見た感想についてはテンションが高かった小栗。「やっぱり3Dはすごかったです。まず、世界観が素晴らしいし、奥行きが見られるのは本当にすごいなと思いました」。三浦もその言葉を聞き、うなずく。ふたりともしっくりキャラクターにハマっていたが、小栗は声優の仕事について「実像で見ている人が、声を演じるとなると、どうしてもその人が見えてしまう。だから、声の仕事はすごく難しい」とうなる。三浦は、初めての声優体験について「自分でも、いただいた映像に合わせて声を出したり、練習をしましたが、収録の場でも、いろいろとご指摘を頂きながら演じました。本当に難しかったです」と振り返った。

三浦が扮する刺客ヤマは、次第にハーロックの魅力に心を動かされていく。三浦が小栗のことを「日頃から頼りにしています」と慕うと、小栗は「春馬くんは、肉体的にも精神的にもどんどん成長していると思います。どんどんたくましくなっている」と三浦の頼もしさを強調した。

そのたくましさとはどういう類のものなのか。「僕は、春馬くんたちの年齢の頃には、まだ主役とかをやったことがなくて。彼や岡田将生もそうですが、どんどん主役をやっていくと、いろんなプレッシャーや責任も追っていく。誤解を恐れずに言えば、主役をやらない限り、感じられないことって絶対にあると思うんです。もちろん、脇で光る人たちもたくさんいるし、それはそれでひとつの生き方だし、主役をやらせてもらうタイミングも、人によって全然違う。ただ、僕が思うに、主役と主役じゃない時では、やっぱり責任の重さが全然違う。そういう意味で、春馬くんは、どんどんたくましくなっていっている気がします。もちろん、時には主役を食ってやろうというテンションで、強く押し出すことも大事なのかもしれないけど、春馬くんは、そのバランスがすごく良いと思います」。

三浦は、ハーロックと小栗との共通点をこう見ていた。「性格が似ているという意味ではないと思いますが、周りにたくさんのクルーが集まってくるような光景は、旬さんとすごくリンクする部分がある気がします。旬さんの周りにも、いつも賑やかな仲間がいたりするので。同業者だけではなく、一般の人も集まってくるんです。旬さん、友だちが多いですから」。その魅力については「真面目な話も、面白い話もできる。いろんな色がある人だから、面白いと思うんじゃないですか」と笑顔で語った。

日本勢が世界に向けて放つ、気合十分のビッグプロジェクト『キャプテンハーロック』。第70回ヴェネチア国際映画祭の特別招待作品として招かれたほか、すでに海外の映画配給会社78の国と地域からオファーが殺到している。圧倒的な映像の力はもちろん、小栗と三浦が体現する、男の美学に心酔したい。【取材・文/山崎伸子】

作品情報へ

関連作品