男性ストリップから筆おろしまで!?良作続出の「FOXサーチライト」で人気投票1位を獲得したのはあの恋愛映画

『スラムドッグ＄ミリオネア』(08)や『ブラック・スワン』(10)など、インディペンデント色の濃いラインナップで、映画ファンのハートをがっちりと掴んでいるスタジオ、FOXサーチライト・ピクチャーズ。これまでに製作・配給した作品では20ものアカデミー賞を獲得し、特にここ10年間では毎年のように作品賞にノミネートされるなど“最もアカデミー賞に近いスタジオ”との呼び声も高い。

そんな良作続出のFOXサーチライトは、2014年の創立20周年に向け、公式Facbook上でサーチライト作品リクエスト投票キャンペーンを実施した。投票によって選ばれた上位5作品は劇場で特別上映されるというこの企画。対象となった13作品の中から、見事1位に選ばれたのは日本でもブームを起こしたラブストーリー『(500)日のサマー』(09)だ。2位には第79回アカデミー賞で4部門ノミネートの『リトル・ミス・サンシャイン』(06)、次いで3位には男性ストリッパーを目指して奮闘するコメディ『フル・モンティ』(97)、4位には先日『バス男』から邦題を改めてBlu-ray＆DVDが再発売された『ナポレオン・ダイナマイト』(04)、5位には公開当時“走るゾンビ”映画として話題を集めた『28日後...』(02)という、FOXサーチライトらしい個性豊かな結果となった。

11月30日、『(500)日のサマー』の特別上映が“FOXサーチライト常設上映館”である新宿シネマカリテで開催。上映前にトークショーイベントでは、映画ライター・よしひろまさみち氏が登壇し“サーチライト愛”を熱く語った。よしひろ氏は、同スタジオについて「これまで光が当たっていなかった俳優や監督がステップアップを図れる、まさに新しい才能が輩出される場所」と定義づけていたほか、「オスカーに受け入れられるスタジオですよね。サーチライトでの成功は、映画界での成功といってもいいのでは？」と、その影響力も年を追うごとに増してきていると考察。また「『(500)日のサマー』は一見普通の恋愛映画と思いきや、全方位型の映画。女性も共感できるし、恋愛における男性の気持ちもしっかり描かれていて、だれでも共感できると思います」と、上映前の“期待感”をよりいっそう盛り上げていた。

FOXサーチライトでは、映画ファンとのコミュニケーションを強化するための新プロジェクトとして『セッションズ』(12月6日公開)と『ザ・イースト』(14年1月31日公開)の2本を公開する。トークではよしひろ氏が、「下半身がマヒした男性の“筆おろし”のお話」と話していたが、『セッションズ』は“半身不随の男の童貞喪失”というテーマを描いて世界中から称賛を浴びた秀作。一方、「ドンデン返しが何度もある面白い作品」と紹介されていたサスペンス『ザ・イースト』は、サンダンス映画祭で注目を集めた新鋭ザル・バトマングリ監督のもとに若手スターが集結した1本だ。この2作品からも同スタジオの奥深さと、新しい才能の隆盛をぜひ感じてみてほしい。【Movie Walker】