海外ジャーナリストに直撃!ハリウッド映画によく見るヘンな“日本観”はナゼ?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
海外ジャーナリストに直撃!ハリウッド映画によく見るヘンな“日本観”はナゼ?

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海外ジャーナリストに直撃!ハリウッド映画によく見るヘンな“日本観”はナゼ?

ニンジャ、サムライ、ブシドー…。ハリウッド映画で度々登場するこれらの日本的なモチーフは、製作者の“日本観”が色濃く反映された、まさに“外国人から見た日本”だ。映画に登場する仰天の日本描写に、思わず目を疑ったことがある人も多いはず。

異国の地である日本を舞台に、「X-MEN」シリーズのヒーロー・ウルヴァリンが壮絶な戦いを繰り広げる『ウルヴァリン:SAMURAI』(13)。主演のヒュー・ジャックマンらが来日し、大々的に日本でロケが行われたことも記憶に新しい本作のBlu-ray&DVDが14年1月8日(水)に発売される。これに先駆け、世界的プレスイベント“より深く「ウルヴァリン」の世界へ~Roninの探求~”が開催され、各国から多くのメディアが参加。映画に精通するジャーナリストたちが集まるこのイベントに同行し、ハリウッド映画特有の“日本観”が生まれる理由を探った。

まず、一行が向かったのは『ウルヴァリン:SAMURAI』の撮影でも使用された増上寺。ロケ地の見学に加え、ハリウッドの第一線で活躍するスタントマン・南博男氏によるマーシャルアーツトレーニングも実施された。トレーニングの最中に映画『ベスト・キッド』(84)のワンシーンを再現していたのは、オーストラリア「ZOO Weekly」誌の記者・ギャビン。「増上寺も素晴らしかったし、南さんのトレーニングも楽しかった。ラッキーなイベントに参加できてよかったよ」と笑みを浮かべながら、初体験の日本文化に感動していた。映画で描かれる日本と現実の日本のギャップについては「映画でしか日本をイメージしていなかったから驚いた。実際に来てみると、イメージどおりの場所もあるし、まったく違う場所もある。予想を裏切られることもおもしろい体験だね」と語った。

増上寺を離れ、続いて向かった先は刀匠・吉原義人氏の刀鍛冶工房。「日本は今回が初めて」だと語るスペイン「FHM Spain」誌のホルヘも真剣な表情で吉原氏に取材していた。「日本と聞いて、第一に思い浮かべるのはマンガ、アニメ、歌舞伎…。映画だと黒澤明と宮崎駿だね。最初に触れた日本文化は『マジンガーZ』なんだ」と「マジンガーZ」の主題歌を口ずさむほどの日本好き。ただ、カルチャーショックを受けている様子で「日本に来てみて感じたことは『なぜみんなマスクをしているのか?』ってことだね(笑)。あと、スペインではみんなうるさいぐらい大声でしゃべっているのに、日本は無音。特に地下鉄ではみんな本当に静かだね」と感想を述べた。そして「『ウルヴァリン:SAMURAI』でもパチンコみたいな日本文化が登場している。映画はとてもよく日本を説明してくれるんだ」と海外では日本描写への満足度も高いという。

大学で映画史を専攻していたというイギリス「Yahoo Movies」の記者・マークは「日本以外の映画でもニンジャはよく登場する。日本文化で人気があるのは一連の『ゴジラ』シリーズ。イギリスでもファンが多くて、有名なモンスター映画のひとつなんだ」と日本の映画にも詳しい。映画で描かれる日本について「実際にはニンジャもいないし、サムライもいない。ステレオタイプであることは確かだね。でも、みんな映画を観たイメージそのままで日本をとらえてしまうものなんだ」と語り、「僕のように映画を仕事にしているのであれば、なおさらだね」と付け加えた。

日本の文化に触れた感動とともに、ジャーナリストたちが異口同音に言うのは「映画で描かれる日本こそが、外国でイメージされている日本である」ということだ。ハリウッド映画で誇張された日本描写が生まれる理由は、製作者自身も過去の映画に影響され、踏襲しているからだろう。ありふれた日本の日常風景ではなく、ニンジャ、サムライ、ブシドーが映画に登場するのは必然なのかもしれない。【取材/文・トライワークス】

■ウルヴァリン:SAMURAI(Blu-ray&DVD)
発売:14年1月8日(金) ※12月20日(金)にデジタル先行配信
価格:4枚組コレクターズ・エディション5990円(税込)
   2枚組Blu-ra&DVD4190円(税込)
   DVD3490円(税込)
発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
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