『魔女の宅急便』の撮影で尾野真千子が新人・小芝風花に助言したチョットいい話とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『魔女の宅急便』の撮影で尾野真千子が新人・小芝風花に助言したチョットいい話とは?

インタビュー

『魔女の宅急便』の撮影で尾野真千子が新人・小芝風花に助言したチョットいい話とは?

児童文学のロングセラーとして今なお愛され続け、初の実写化が話題を呼んでいるファンタジー・ドラマ『魔女の宅急便』がいよいよ3月1日(土)より公開。見習い魔女のキキ役を16歳の新進女優・小芝風花、キキを支えるパン屋のおソノ役を尾野真千子がそれぞれ演じた本作だが、あまりにも有名なキャラクターだけに、気になるのは作品に対する2人の手応え。まず、小芝に率直な感想を尋ねてみると、「やっぱり悩んだこともありました」という答えが返って来た。

「オーディションに受かった時は号泣するくらいうれしかったんですけど、アニメ版の印象も強いですし、だんだん私にキキが務まるのかなって不安になって来て。実は、考え過ぎてスタッフさんの目が怖くなってしまった時期もあったんです」と、当時の複雑な心境を口にした小芝。初の映画出演だけに、そのプレッシャーたるや想像するに難くないが、真横にいる尾野にチラリと目線を向けつつ、晴れやかな笑顔でこう言い切る。「でも尾野さんに相談したら、『現場の人間はみんな自分の仕事をしているだけ。どうやったらきれいに撮れるかを追求しているだけで、誰も俳優個人のことなんか気にしていない。ダメだったら監督が教えてくれるんだから、そのままで大丈夫』って励ましてくれて。それで私もふっ切ることができたんです」

小芝は感謝しきりだが、尾野自身は「風花ちゃんは過去の自分のようなものだから」とさらり。「私もいろいろ迷ってここまで来たので、彼女の悩みが分かるんです。だから撮影中はなるべくそばにいて、コミュニケーションを取るようにしていました。そもそも今回は役柄と自分を同化させることが重要だと感じていて。ありのままの小芝風花をキキとして受け入れて、彼女が“独り立ち”する姿を見守ったんです」

「だから特別なことは何もしていない」と尾野は笑うが、初主演の小芝の目には頼もしい先輩と映ったようだ。実際ロケでの思い出は、撮影そのものよりも、尾野の大らかな人柄が印象深いと小芝は言う。「クレーンで吊られて飛ぶほうきのシーンも楽しかったですけど、とにかく尾野さんと清水崇監督の掛け合いがおもしろくて!監督が尾野さんのスリッパに落書きして、尾野さんがやり返したり。ポンポン冗談ばっかり言い合っていたんですよ。尾野さんはそういうお茶目な部分も持ってるんですけど、悩みを相談すれば真剣に答えてくださるし、たくさん勉強させていただきました」

もともと『魔女の宅急便』の本筋はキキの成長物語。キキと同じように周囲に支えられ、新たな一歩を踏み出した16歳の女優・小芝風花のフレッシュな存在感が、作品全体にもリアリティを与えているといえそう。観る側の我々も、自然とキキの感情に同化し、素直に共感してしまう清々しい一本だ。【取材・文/トライワークス】

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