伊藤淳史&仲村トオルが意外な素顔を語り尽す!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
伊藤淳史&仲村トオルが意外な素顔を語り尽す!

インタビュー

伊藤淳史&仲村トオルが意外な素顔を語り尽す!

海堂尊原作の人気ドラマ「チーム・バチスタ」シリーズの最終章が、『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(3月29日公開)としてスクリーンに登場。伊藤淳史扮する心療内科医の田口公平と、仲村トオル扮する厚生労働省の役人・白鳥圭輔は、それぞれが当たり役となり、6年に渡り凸凹コンビを演じてきた。映画の公開を前に2人にインタビューし、6年分の足跡を振り返ってもらった。

今回、田口(伊藤淳史)と白鳥(仲村トオル)が挑むのは、最新鋭の死因究明システムの導入を機に起きる、病院爆破の脅迫状や集団不審死事件の謎である。シリーズで長年培った2人の呼吸は絶妙だ。伊藤は、仲村についてこう絶賛。「謎解きのシーンは、ほとんどトオルさんがしゃべっています。難しい専門用語もいっぱいあるし、なかには白鳥が言わなくてもいいような120%説明の長セリフもありますが、トオルさんはそれをさらっとやられる。もちろん大変な思いでやってらっしゃるとは思いますが、現場では高いハードルも、高くないという感じで飛んでいくトオルさんは本当にすごい」。

仲村はシリーズ初期の頃に感じた伊藤のエピソードを話してくれた。「伊藤くんが、涙を流すシーンの前に、周りの人たちと楽しそうにおしゃべりをしていたんです。初めてそれを見た時、『大丈夫かな?』と思ったのですが、『用意スタート!』となった瞬間、ちゃんとわーっと泣いていました。後で彼に聞いたら『そういうシーンの前に、気持ちを作って暗くなるのが苦手なんです』と。そういう助走の仕方でジャンプをする人がいるのかと、驚きに近いものを感じました。また、伊藤くんがセリフを噛んでNGを出すことはほとんどない。自分で言うのもなんですが(笑)、僕もあまりないので、スケジュールを見て、伊藤くんとの2人のシーンばかりだと『今日はマクよ』と言って家を出ていたのは、良い思い出です」。伊藤も「僕もそう言ってました」と笑顔でうなずく。

お互いに、共演してみて意外に感じた一面についても聞いてみた。仲村は「実は、伊藤くんと僕は、年齢は離れているけど、キャリアとしてはほとんど変わらないんです。これは初期の印象ですが、あんなに小さい頃から仕事をしてきて、よくここまで擦れず、汚れずに来たなあと思いました。でも、時間を経ていくと、ああ、伊藤くんにも擦り傷はあるし、ねじ曲げられたり、折られたりもしてきたんだなとわかってきたんです。でも、彼は丁寧に自分でメンテナンスをしてきたんだってことを、後で発見しました」。

伊藤は、仲村が「ものすごく家庭的で良いパパです」という点を上げた。「お会いする前のイメージは、プライベートなどに関してあまり聞かないほうが良いかなと思っていたのですが、現場では、いろいろとお話をしてくださった。トオルさんは、役者さんとしてはもちろん、人生としても大先輩ですが、そのお父さんぶりがすごいんです。撮影現場にいく前に、娘さんを送ってから来ることもあったし。連ドラ中は大変だけど、現場はもちろん、それ以外のこともしっかりとされている。ちょっと頭が上がらない感じでした」。

2008年にスタートした「チーム・バチスタ」シリーズ。伊藤は「ずっと田口役をやってきたので、常に自分のどこかに田口が存在しているような感じで演じてきました」と言う。「今に至るまでの7年間は、自分にとっても大切な思い出深い時間でした。『ジェネラル・ルージュの凱旋』の時は結婚しましたし、『アリアドネの弾丸』の時は大きな大震災が起こった。良いことも悪いことも含め、日常生活で決して忘れることのできないことが起こった時に、常に隣にいてくれた作品です。たぶん10年経って、この作品を振り返った時も、変わらず自分のなかであり続けるのかなと」。

仲村も本作への熱い思いは同じだ。「原作者の海堂さんが現場にいらっしゃった時『白鳥圭輔という役に出会えたおかげで、この6年間、本当に充実していたし、楽ではなかったけど、楽しい時間でした』と、お礼を言ったんです。最初から、この役は面白そうだと思ってはいましたが、その予想をはるかに上回る感じの面白さでした。その結果、出会えた人たち、伊藤くんをはじめ、すべてのキャストやスタッフの方とも、これだけの時間と本数を費やさないとできなかったというくらいの関係性は築けましたし。この先、振り返っても、もっともっと輝きが増すような気がします」。

感慨深い表情で言葉をかみしめる2人を見ているだけで、『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』を含めた本シリーズへのこみ上げる思いが伝わってきた。伊藤淳史、仲村トオルにとっても、特別な本作。フィナーレにふさわしい最終章は、いよいよ今週、封切りとなる。【取材・文/山崎伸子】

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