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浅野忠信、モスクワ国際映画祭受賞は「ふみちゃんがいなかったらあり得なかった」と二階堂ふみに感謝

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浅野忠信、モスクワ国際映画祭受賞は「ふみちゃんがいなかったらあり得なかった」と二階堂ふみに感謝

第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門に出品されていた熊切和嘉監督『私の男』(公開中)が、最優秀作品賞と最優秀男優賞のダブル受賞の快挙を成し遂げた。6月30日には都内で受賞会見が開催され、主演の浅野忠信と二階堂ふみが出席。最優秀男優賞を受け、浅野は「とてもとても嬉しい。やってきて良かったと思います」と喜びを噛み締めた。

本作は桜庭一樹の同名小説を原作に、家族を失った少女・花(二階堂)と、花を引き取った遠縁の男・淳悟(浅野)の、16年にわたる禁断の愛が描かれる衝撃の物語。モスクワ国際映画祭での日本映画の最優秀作品賞獲得は『生きたい』(新藤兼人監督)以来15年ぶり。最優秀男優賞は『ふるさと』の加藤嘉以来31年ぶり2人目の快挙だ。

浅野は、「まさか賞をいただけるとは。本当にビックリしています」と受賞の知らせに驚いたことを報告。さらに「30代、模索するような時期が長く続いた」と俳優人生を述懐。「40代を迎えて再スタートを切りたいと思っていた。若い時には表現できなかった奥行きを持った役を演じたかった」との思いの中で出会ったのが、 淳悟という役だったという。

「今、吐き出しておかないと次に進めない。その思いを存分にこの役に込めた」と並々ならぬ熱意で挑んだそうで、「自分の中であふれる思いで役に向かっていた。現場では監督に生意気な態度をとったりもしたが、それも自分がむきになれるまでの役に出会えたからだと今、噛み締めている」と振り返った。

淳悟という役に強い思いで臨んだ浅野だが、「ふみちゃんがいなかったら淳悟というのはあり得ない。(ふみちゃんの)花としてのただらなぬ存在感と溢れ出る力。そういうものがなかったら、淳悟のあらゆる側面はでなかった」と力を込め、「ふみちゃんがいなかったら、絶対にもらえなかった賞。とても感謝しています」と隣の二階堂に感謝しきりだった。

一方の二階堂は「私は映画に対する憧れの気持ちが強くてこの世界に入って。憧れの映画人でもある大先輩から、そういうお褒めの言葉をいただけて、モスクワのグランプリと同じくらい嬉しい気持ち、光栄です」と照れ笑い。「俳優、映画人としてのあり方は、浅野さんの背中を見て感じることが多かった。感動することが多かった」と浅野から受け取るものも多かったという。

また台湾に滞在中の熊切監督は、スカイプで会見に参加。「作品賞というのはみんなでもらった賞。光栄に思っていますし、これからも1本1本、丁寧に作品に取り組んでいきたい」と語り、浅野、二階堂ともスカイプ画面を通して、「おめでとうございます」と晴れやかな笑顔でお互いに健闘を称え合っていた。【取材・文/成田おり枝】

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