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紀里谷監督が世界に放つ『GOEMON』で目指したモノ

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紀里谷監督が世界に放つ『GOEMON』で目指したモノ

紀里谷和明監督が世界公開を目指したハイパーな野心作『GOEMON』がいよいよ5月1日(金)に公開される。時は豊臣秀吉が天下人となった戦国の世、伝説の大泥棒・石川五右衛門が、乱世の鍵を握る箱を盗んだことから始まる、武将や忍が入り乱れる壮絶な戦いを描いた歴史絵巻だ。

紀里谷監督がメガホンを取るのは『CASSHERN』(04)以来5年ぶり。5年前から本作の構想を抱いていた彼は「ジャンルという枠を取っ払うところからスタートした」と振り返る。

「僕はジャンルがクリエイティブを窒息させると思うんです。いくら『自由に創ろう』と言っていても、結局“時代劇”という重力が、箸で蕎麦を食べる図を思い起こさせる。なぜ蕎麦じゃなきゃダメなのか? そこから始めました」

そう語る紀里谷監督が目指したのは、世界公開。異文化を持つ海外の観客の視線を意識し、部屋で靴を脱ぐ、お辞儀や正座をするといった日本特有の所作は排除した。

「日本的なモノがダメなのではなく、そこに意識が集中することによって物語が分からなくなるのを危惧したんです。それでも、日本的なモノは追求できる。本作ではその手応えを感じました」と熱く語ってくれた。

大掛かりなセット撮影に、艶やかな衣装の数々、そして膨大なCGによって壮大なスケール感を出した本作。中でも監督が何よりこだわったのが“ホタル”。

「飛び方が気に食わないとか、光り方がイマイチとか言いながら、いちばん最初に手掛け始めたにも関わらず、最後の最後まで修正していたのが“ホタル”。物語の中でも重要な役を担っているから絶対失敗できないと思っていました」そう語る監督の瞳の奥には、クリエイター魂がメラメラ燃えていた。

とことんこだわるがゆえに、役者陣の監督評は「よく粘る!」。五右衛門を演じた江口洋介とは、多いシーンで20テイク以上重ねたという。

「100がスタートだとしたら、やっぱり140、いや200のモノが欲しくなるんですよ。でも、それだけのモノは出来てるので、楽しんでほしいです」と監督は笑顔で語った。

五右衛門役の江口を始め、大沢たかお(霧隠才蔵役)、奥田瑛二(豊臣秀吉役)、広末涼子(茶々役)ら、日本を代表する豪華な顔ぶれが揃った『GOEMON』。野望渦巻く戦乱の中、己の運命を生きる姿が、実にエネルギッシュに描かれる。ワイルドでカッコイイ男の生き様を楽しむのもよし、アクションに心躍らせるのもよし、絢爛豪華な世界を楽しむのもよしなエンターテインメントな1作だ。【MovieWalker/大西愛】

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