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松尾スズキ、松田龍平抜擢に「やらしい気持ちあった」

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松尾スズキ、松田龍平抜擢に「やらしい気持ちあった」

いがらしみきおの同名コミックを松尾スズキ監督が映画化した『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(4月4日公開)の大学生向けトークセッションが3月30日に早稲田奉仕園で開催され、松尾監督が出席。

「あまりやっていないので、テレビの演出もやってみたい。アニメとかね。通販番組も」と学生たちを前に、尽きぬ創作意欲を語った。

早稲田大学広告研究会の学生が司会を務めた本イベント。学生からのあらゆる質問に松尾監督が答える形で進行した。本作では、主演・松田龍平と『恋の門』以来10年ぶりのタッグを組んだが、抜擢の理由を聞かれると「話題になるだろうといういやらしい気持ちがあった」と告白。

さらには「20歳でしたからね。当時は使い勝手のいい俳優ではなかった」と10年前の松田に対する素直な気持ちを明かし、「10年経って、30歳になってそこはかとしれない雰囲気と色気、ユーモアもある。いい感じに成長したなと思った」とその成長に惚れ惚れとしていた。

一度就職をし、会社を退職。劇団・大人計画を立ち上げるまで、将来について考える期間があったという松尾監督。「のたれ死にするしかないと自分を追い込んで、最後にたどり着いたところ」と演劇への道へと進んだ思いを述懐。

「これを失ったら何もないぞ、と。それぐらいの根性がないとやっていけない場所だと思う」と今の仕事への思いを語ると、学生たちも深く聞きっていた。

最後には「仕事をやめてこれからどうなるかわからないというときでも、必ず自分の落としどころは訪れる。状況に合わせて着地点は動いている」とこれから社会へと旅立つ学生たちにメッセージ。松尾監督の含蓄ある言葉に、学生たちも大いに刺激を受けた様子だった。

本作は、いがらし作品初の実写映画化となるヒューマン・コメディ。お金を一切使わない生活を送るため、東北の寒村にやってきた元銀行マンが、個性的な村人たちとのふれあいを通して変わっていく姿を描く。【取材・文/成田おり枝】

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