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吹石一恵「女子力が低い」と告白!?輝き続ける秘訣は

インタビュー

吹石一恵「女子力が低い」と告白!?輝き続ける秘訣は

透明感を身にまとい、清らかな美しさで見るものを魅了する女優・吹石一恵。浅田次郎の同名小説を水谷豊主演で映画化した『王妃の館』(4月25日公開)では、ワケありのOL役にトライ。可憐な女性をみずみずしく演じ、映画に華を添えている。内から輝きを放つような彼女の美の秘訣とは?吹石を直撃した。

パリのゴージャスなホテルに泊まる、天才作家・北白川右京(水谷)をはじめとする個性派ぞろいのツアー客たちが引き起こす悲喜こもごもを描く本作。吹石が演じるのは、200万円という大金をはたいて一人でツアーに参加したOLの香役だ。

香の印象を聞くと、「とにかく女子度が高い」と目を輝かせる。「右京先生の大ファンで、右京先生に会ったら『キャー!』となってしまったり、スイーツが大好きだったり」と香の特徴を話すが、女子度の高い役柄について、「それは、私にない要素ばかり」とあっけらかんと笑う。

服装も女子力の高い、ふわりとしたコーディネートの香。「こんなラブリーな服装を普段の私はしないので、着こなせないんじゃないかと不安でソワソワしてしまって。そう言っていたら、共演者の田中麗奈ちゃんが『大丈夫だよ!似合っているよ!』と両肩を持って励ましてくれたんです(笑)」。

「私は、女子度が低いなと思うんです」と意外な一面をのぞかせる。どんな瞬間にそう感じるのだろう?「朝、現場に入るときに髪をちゃんと整えず行ってしまったり、メイクをしないで外出してしまったり。大学に通っていた頃は、学校にもノーメイクで行っちゃったりしてました」と彼女。

「14歳の頃からこのお仕事をさせていただいて、メイクなど、きれいにしてもらうこと自体がどうしても仕事用の武装をするような、仕事モードに切り替わるスイッチのような気がしてしまって。でも最近は、ちょっと楽しむようになりました」。

それゆえに香を演じるには、両手の拳を握って胸に当ててみるなど「自分がプライベートではやらなそうな動きをやってみた」と、かわいらしい雰囲気を出すために試行錯誤したのだとか。サバサバと楽しそうに話す姿がなんとも魅力的だ。

古風な顔立ちの美人である一方、飾らず、気さく。明るい彼女の周囲は、この日も笑顔にあふれていたが、「30代に突入して、また毎日が楽しくなっている感じがするんです」とニッコリ。そこには考え方のちょっとした変化が作用しているようだ。

「開き直ってみたんです(笑)。できないことはできないとわかった上で、やってみるという感じかな。多分、自分を少し客観的に見られるようになったんだと思います。20代はいろいろなことに無我夢中で、『そもそもこれ、私にできることなの?』ということもすっ飛ばして、とにかく『やらなきゃ、やらなきゃ』って思っていた。『やらなきゃ』という思いで頭がいっぱいになっていたんです」。

今では、「自分に過度なプレッシャーをかけないというか、自分にできることしかできないわけだから、やれるだけのことをやってみようというふうに考えるようになりました」とふわりと微笑む。「緊張していてもいいことはないので、一回、肩の力を抜いて、『よし!とりあえず、やれることはやろう!』って。そう思ってやってみると、案外うまくいく気がするんです」。

そんな中、モットーとしていることは「肩肘を張らずに目の前のことを一つひとつ楽しむこと」だ。「お仕事でもなんでも、『楽しい』と前向きな気持ちで取り組んでいれば、自然と楽しい40代、50代、60代になるんじゃないかな」。この前向きな清々しい笑顔こそ、最大の彼女の美しさの秘訣だろう。

現実的な美の磨き方については「もう、自力だけに頼るのは無理だなと思って」と笑い飛ばす。「『寝ていなくても平気』とかいう考えはもうやめようと思って。ちゃんと休んだり、ちゃんとお手入れしたり、しかるべきタイミングにはエステに行ってちゃんとプロの手をお借りしたり。『まだいいかな』と思っていたスペシャルでちょっといい化粧品も、ここぞというときには使うようにしています」。

キラキラとした瞳で、サッパリと正直に胸の内を明かしてくれた吹石一恵。『王妃の館』で、彼女の新鮮な魅力を堪能してみては。【取材・文/成田おり枝】

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