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『攻殻機動隊』と「シドニアの騎士」チームがSFを語る!

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『攻殻機動隊』と「シドニアの騎士」チームがSFを語る!

『攻殻機動隊』25周年記念作品『攻殻機動隊 新劇場版』(公開中)と、放送中の「シドニアの騎士 第九惑星戦役」とのSFコラボナイトが、6月25日にTOHOシネマズ日本橋で開催。『攻殻機動隊 新劇場版』の総監督・キャラクターデザインの黄瀬和哉、脚本の冲方丁、「シドニアの騎士 第九惑星戦役」の瀬下寛之監督、「シドニアの騎士」原作者の弐瓶勉を迎えての舞台挨拶が行われた。

SFの定義や世界観についてクロストークをした4人。冲方は“シンギュラリティファンデーション”という価値観について説明する。「いまの時代は、科学技術が現代に近づきすぎて、サイエンスという言葉自体が古くなった。だから、限界を突破した時に現れる新たな文明がSFになっていくのかなって」。

弐瓶が目指しているのは「現実では絶対ありえないような状況を描いて、そこに人間を置くってこと」だそう。「遠未来なんです。『攻殻機動隊』は近未来ですが、それは難しいから避けてきた。『シドニアの騎士』は1000年後の遠未来ですから。僕は絶対、日常ではないような文化や民族とかを描いていきたい」。

瀬下監督の原点は『スター・ウォーズ』だそうだ。「遠い昔。日本的に言えば、昔昔、遠未来か遠過去。いまから近い時間軸じゃないとんでもない日常を描きたい。粗が見えてしまうフィクションじゃない。いまの基準の科学的な理屈を付けて、物語の荒唐無稽さを阻害されるのは嫌です」。

黄瀬は「僕はもう少し地に足がついているものを作ってきたので、『ドラえもん』の藤子さんの、少し不思議という方が好きですね。自分のなかでやりたいのはそっち系。日常のようだけど、日常じゃないって方が好きです」と自身の価値観を語った。

最後に、今回のコラボナイトが実現した喜びを語った冲方。「最近はこういうボーダーが外れてきて、いろんなアイディアや人材が交流し始め、新たなものが生まれていく。製作者としては追随していかなければいけない。素晴らしいムーブメントです」。フォトセッションでも冲方と弐瓶が握手を交わし、舞台挨拶は大盛況のまま幕を閉じた。【取材・文/山崎伸子】

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