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清野菜名、映画初主演は「“殺す”気持ちで演じた」

インタビュー

清野菜名、映画初主演は「“殺す”気持ちで演じた」

ショートカットの可憐なルックスとは裏腹に、目を見張るような本格アクションを飄々とこなしてしまう女優・清野菜名。初の主演作となる『東京無国籍少女』(公開中)でも、抜群の身体能力を存分に発揮している。女優として新たな境地に達したという清野がインタビューに応じ、アクションへの強い思いを語ってくれた。

「アクションは自分の得意分野だったので、絶対に妥協したくなかった」と語る清野。初主演ということもあり、その意気込みは並々ならぬものだった。「練習期間が全部で3日間しかなくて、『できなかったらスタントがやるから』って提案されたんですけど、それが自分の中ですごく嫌で…。絶対に共演者の方の足を引っ張りたくなかったし、私のアクションで映画のレベルを下げたくなかった。自分が持っているものを全部出してやろうと思ったんです」。

その言葉どおり、物語の終盤で清野が見せる壮絶なアクションが本作のハイライトになっている。殺気に満ちた表情を浮かべ、返り血を浴びながら敵をなぎ倒していくシーンで、彼女は「監督から『“殺す”という気持ちで戦ってほしい』と言われたので、その気持ちだけで演じたんです。何も考えていないのに手と足が勝手に動いて、本当に役と一体化したような瞬間でした」とこれまでにない感覚を味わったようだ。

ヒロイン役に抜擢された園子温監督作『TOKYO TRIBE』(14)の頃から一貫してアクションへのこだわりを口にしてきた清野。きっかけは『バイオハザード』(02)のミラ・ジョヴォヴィッチに憧れたことだったと公言しているが、そのおもしろさに没頭していったのは本格的にアクションを学び始めてからだという。

「高校1年生の時にアクションを教えてもらいたくて、(アクションコーディネーターで監督の)坂口拓さんに会いに行ったんです。そこから毎日一緒にボクシングを練習しましたね。高校2年生の時は坂口さんのアクション養成所にも通って。たまたま『TOKYO TRIBE』(14)のアクション監督が坂口さんでびっくりしたんですけど、再会したときに『お前、名前なんだっけ?』って言われてすごくショックでした(笑)」。

「以前と比べるとお仕事も増えて忙しくなってきているんですけど、昔の自分を忘れたくないんです」と言う清野。彼女のアクションへの情熱は途切れることはなく、いまでも時間を見つけてはアクションに磨きをかけているという。「『少女は異世界で戦った』(14)の現場で一緒だった“ATT”というアクションチームにお世話になっていて。ATTは教えてもらいに行くというよりは、遊び感覚で行けるような場所。アクロバットを中心にいろいろと技を勉強中です」。

清野の夢は「世界で活躍できるアクション女優になる」ことだ。『東京無国籍少女』はスイス・ヌシャテル国際ファンタスティック映画祭を皮切りに、アメリカ、カナダ、韓国と各国の映画祭で上映されている。「海外の映画祭から招待されてうれしいです。ノースタントで挑戦した今回のアクションシーンが海外でも話題になってほしい!」【取材・文/トライワークス】

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