若きマイケル・ダグラスの爆笑裏話!『アントマン』の監督が告白|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
若きマイケル・ダグラスの爆笑裏話!『アントマン』の監督が告白

インタビュー

若きマイケル・ダグラスの爆笑裏話!『アントマン』の監督が告白

身長わずか1.5cmの極小ヒーローが、一体どうやって戦うの!?それは果たして面白いのか!? そんな杞憂は見れば吹っ飛ぶ!それほど『アントマン』(9月19日公開)は最高にイケている。来日したペイトン・リード監督にインタビューし、愉快な撮影秘話を聞いた。

体の小ささはもとより、アントマンとして戦うのは、仕事も家庭も失い、崖っぷち状態の泥棒、スコット・ラングだ。コメディ俳優のポール・ラッドが演じるスコットは、娘のためにアントマンになるという“頑張るダメ親父”で、そこも多くの人びとの夢を揺さぶる。

「ポールは見事に主人公を演じてくれた。彼が演じたアントマンは、どんなスーパーヒーローよりも共感できるキャラクターで、いままでなかったタイプのヒーローだ。普通の男がたまたまヒーローになるところがポイントだよ」。

アントマンは、アリのような強力なパワーや敏捷性を兼ね備えたヒーローで、仲間のアリたちと共に戦っていく。大エアリのアントニーに乗って飛行したりと、それぞれの特性を活かしたアリたちとのチームワークを発揮し、みんなで敵をぶちのめしていく。

「何といっても主役はアリなので、徹底的にリサーチしたら、いろんな発見があったよ。だから、劇中でアリが軍団となり、まるでイカダのような形になってアントマンを運んだり、電子回路に潜り込んで機械をショートさせたりするという見せ場を作ったんだ。いままでなら、家のなかのアリを見つけると、すぐに殺虫剤を使っていたけど、いまはちょっと踏みとどまったりするよね(笑)」。

スコットをアントマンに導く謎の男、ハンク・ピム役を、名優マイケル・ダグラスが演じている。「彼がセットに入ってきただけで、ものすごい存在感があったし、実際スクリーンに重厚感をもたらしてくれた。撮影の合間には、いままでの出演作の裏話をひたすら聞き続けたよ。とにかくすごく楽しかったんだ」。

劇中で、ハンクの25年前の回想シーンが出てくるが、なんとそこには若き日のダグラスの姿があり、目を奪われる!

「実はあのシーンがいちばん気を遣ったし、内心いちばんビビっていたシーンでもある(苦笑)。なぜなら、誰も知らない役者だったらともかく、マイケル・ダグラスでしょ。25年前にどんな見た目だったかをみなさんがご存知なわけで。ただ若返らせれば良いというものではなかったので、ビクビクしていたよ」。

若き日のダグラスは、CGなど特殊加工を専門とする会社に依頼したと言う。「まず、ダグラスの顔も含めた全身をレーザースキャンして、それを基に加工したんだ。また、代役を使って歩かせたりもして、いろいろなものを組み合わせてようやく完成した。そしたらものすごくできが良くて、ダグラス本人も心底感動し、『この会社、私が買い取るよ。そしたら今後25~30年、現役でやっていけるし、私が死んだ後も、現役が続けられるから』と言っていたよ(笑)」。

小さくて大きいアクションシーンも『アントマン』の見どころだが、特にクライマックスで、「きかんしゃトーマス」に乗る、列車のアクションシーンが見ものだ。

「元々台本にあったのは、機関車のプラレールだったけど、個性的なトーマスの目が左右にギョロギョロと動いて、それがアップになって近づいてきたらかなり笑えると思ったからトーマスにしたんだ。ただ、アントマン目線で見るとド迫力だけど、普通の人間の目線で見れば、部屋の隅っこで何かちょこちょこやっているようにしか思えない。そこが笑いどころだ。是非、そういう視点の違うアクションを楽しんでほしい」。

きっと観れば、誰もがエールを送りたくなる等身大のヒーロー『アントマン』。小さいけどダイナミックな世界観は、大きなスクリーンサイズで体感してほしい。【取材・文/山崎伸子】

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