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ノルウェーの日本人プリマ、産後復帰は「育休を5か月とった」夫のおかげ

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ノルウェーの日本人プリマ、産後復帰は「育休を5か月とった」夫のおかげ

バレリーナ・西野麻衣子の素顔に迫るドキュメンタリー映画『Maiko ふたたびの白鳥』(2016年2月公開)の特別記者会見が11月30日にノルウェー王国大使館で開催され、来日を果たした西野麻衣子がノルウェーの育児事情を明かした。

本作は、15歳で親元を離れ、東洋人ではじめてノルウェー国立バレエ団のプリンシパルとなった西野の妊娠から出産、そしてふたたびプリンシパルとして「白鳥の湖」を踊るまでを映し出すドキュメンタリー映画。この日は、本作にも登場する母の西野衣津栄、また、スノーフリッド・B・エムテルード参事官も出席した。

西野は「ノルウェーは男女平等の国で、男性がすごく優しい」とニッコリ。「国が母親、父親になることをサポートしてくれる」そうで、「ノルウェーでは、男性は育休を3か月とらなければならないんです。主人は私のキャリアをサポートするために、そのプラス2か月となる、5か月休んでくれました。カムバックができる自信を主人からもらった」とバレリーナとしての復帰を支えてくれた国と夫に、感謝しきりだ。

スノーフリッド参事官は、「夫は休養をとることで、父としての経験ができる喜びがあるはず。父親も母親と同様に、子どもと近い位置にいられる」と父親の育休の意義を話し、「両親になる責任を重荷ではなく、恵みとして受け取ることが大事」とコメント。「マイコさんの経験から、『できる』ということを受け取ってほしい。子どもを産んで、復帰した方がここにいらっしゃる。しかも、プロのダンサーの世界で復帰を果たしたのですから。若い女性にインスピレーションとなると思う」と西野の姿は、多くの女性たちにとって出産とその後の社会復帰へのエールとなるはずだという。

さらに西野は「子どもができたから、ということを理由にしたくなかった。子どもができたから、バレリーナとしてまた成長したいと思っていた」と告白。もちろん、「すごく忙しいし、バレリーナとしてのメンテナンスもすごく大変」と苦労もあるというが、「前よりも充実感がある。子どもができる前の私と、また違った、母としてのバレリーナとして、舞台に立てることがとても幸せですし、すごく楽しい」と晴れやかな笑顔を見せていた。【取材・文/成田おり枝】

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