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第74回GG賞候補発表!疑問とともにGG賞“らしい”一面も

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第74回GG賞候補発表!疑問とともにGG賞“らしい”一面も

アカデミー賞に次ぐ2大映画賞と言われているゴールデン・グローブ賞(以下GG賞)のノミネート結果が、現地時間の12月12日に発表された。

さまざまなサプライズがあるなかで、作品賞のコメディ/ミュージカル部門では、サンダンス映画祭で絶賛されていたジョン・カーニー監督の最新作『シング・ ストリート 未来へのうた』(16)が落選した一方で、「今年5番目の大ヒット作で、外国人記者クラブにライアン・レイノルズのファンが多いとはいえ、R指定のヒーロー映画のノミネートは初めてで、『デッドプール』(16)がノミネートされたことは大きなサプライズだ」とロサンゼルス・タイムズ紙が驚きをもって伝えている。

『デッドプール』がコメディ/ミュージカル部門にサプライズノミネート!
『デッドプール』がコメディ/ミュージカル部門にサプライズノミネート!写真:SPLASH/アフロ

またドラマ部門では、1831年にバージニア州サウサンプトン郡で奴隷反乱を起こしたことで知られる、アフリカ系アメリカ人奴隷のナット・ターナーを描いた、ネイト・パーカーが監督、脚本、主演を務める『バース・オブ・ネイション』(2017年公開)や『沈黙-サイレンス-』(2017年1月21日公開)、『ハドソン川の奇跡』(16)、『メッセージ』(2017年公開)が落選した一方で、『最後の追跡』(16)が健闘している。

【写真を見る】実際の奴隷反乱を描いた衝撃作『バース・オブ・ネイション』
【写真を見る】実際の奴隷反乱を描いた衝撃作『バース・オブ・ネイション』写真:SPLASH/アフロ

ドラマ部門の主演男優賞では『Gold(原題)』のマシュー・マコノヒー、『素晴らしきかな、人生』(2017年2月25日公開)のウィル・スミスや『ハドソン川の奇跡』のトム・ハンクス、『The Founder(原題)』のマイケル・キートンらを差し置いて、『はじまりへの旅』(2017年4月1日公開)のヴィゴ・モーテンセンが選ばれたことが驚きだが、コメディ/ミュージカル部門では、それを上回る衝撃が起きた。

大スターを差し置いてノミネートを果たしたヴィゴ・モーテンセン
大スターを差し置いてノミネートを果たしたヴィゴ・モーテンセン写真:SPLASH/アフロ

『The Comedian(原題)』のロバート・デ・ニーロ、『Rules Don't Apply(原題)』のウォーレン・ベイティではなく、コリン・ファレルが、2015年のカンヌ国際映画祭で上映された『ロブスター』(15)でノミネートされていることは驚きだ。

また『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』でヒュー・グラントが、『War Dogs(原題)』でジョナ・ヒル、アメコミ映画『デッドプール』(16)でスーパーヒーローに扮したライアン・レイノルズが選ばれている一方で、有名スターが候補者に多く名を連ねた結果は、GG賞らしい結果と捉えられている節もあるようだ。

助演男優賞では『Nocturnal Animals(原題)』で、かのマイケル・シャノンではなく、アーロン・テイラー=ジョンソンが選ばれたこと、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のサイモン・ヘルバーグが選ばれながら、『沈黙-サイレンス-』のリーアム・ニーソンが、作品・監督・主演男優・助演女優賞でノミネートされた『Manchester by the Sea(原題)』から19歳のルーカス・ヘッジスが選ばれなかったことも疑問だ。

またアニメ部門では、昨年の大ヒット作『ミニオンズ』(15)が外されたのと同様に、全世界で4億8630万ドル(約559億円)以上を稼ぎ出した今年最大級のヒット作『ファインディング・ドリー』(16)が落選してしまった。

ゴールデングローブ賞はアカデミー賞とは異なる特性を持つ一方で、同賞で認知度や知名度が上がるという点でも、影響力は多大だ。そういった意味でも、サプライズが多いということは、まだまだ今後の賞レースの結果は予測不可能だということの表れか。なお第74回ゴールデングローブ賞の授賞式は、ジミー・ファロンの司会で現地時間の1月8日(日)に、ザ・ビバリー・ヒルトンで開催される。【NY在住/JUNKO】

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