第69回エミー賞で８冠を獲得するなど、近年の賞レースをにぎわしている話題作。健康な女性が捕らわれ、子供を産むための道具＝侍女にされているギレアド共和国。夫や子供と引き離され、フレッド司令官(ジョセフ・ファインズ)付きの侍女“オブフレッド”とされたジューン(エリザベス・モス)が、自由を求めて抗う。ギレアドでの現在と、抑圧的な社会へ変容する過程を並行して描写。体制側が神の名のもと、反抗する者に罰を下すシーンの恐ろしさに戦慄させられる。細部にこだわった美術、絵画のようなライティングの美しさも注目に値する。女性や社会的弱者に対する権利への意識が高まっている“今”だからこそ観てほしい1本だ。