Moviewalker特集 今年の夏も東宝アニメーションが観たい~東宝の大作アニメは日本の風物詩

メアリと魔女の花
打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?
『君の名は。』の歴史的大ヒットも記憶に新しい、東宝が毎年サマーシーズンに配給する大型の劇場アニメーション。世代を超えて楽しめる名作を打ち上げ、華を咲かせてきた同社の夏アニメ大作が、今年はなんと7、8月と2作連続公開。ジブリ出身の米林宏昌監督が放つ真打ファンタジー『メアリと魔女の花』、岩井俊二監督の名作青春ドラマが原作の映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』。また忘れられない夏の思い出になるよ、きっと。
2014年『思い出のマーニー』→2015年『バケモノの子』→2016年『君の名は。』
スタジオジブリ制作、『借りぐらしのアリエッティ』('10年)に続く米林宏昌監督の長編2作目。心を閉ざした少女杏奈と、不思議な少女マーニーの出会いと友情を描く感動作。
『時をかける少女』('06年)の細田守監督によるオリジナル長編アニメーション。バケモノたちが住む渋天街を舞台に、孤独なバケモノと人間の少年の親子の絆を描く冒険活劇。
ティーンを皮切りに日本中を巻き込むヒットを記録した新海誠監督作。東京に暮らす少年・瀧と飛騨の山奥に暮らす少女・三葉は、ある朝目覚めると身体が入れ替わっていて!?

2017年7月 ひと夏の魔女体験

「メアリと魔女の花」

【はじめての冒険】『借りぐらしのアリエッティ』('10年)『思い出のマーニー』('14年)を手掛けた米林宏昌監督の新作が公開。ジブリの作品創りを支えてきた実力派クリエイターたちも集う新たな工房“スタジオポノック”の記念すべき第一作目は、一夜だけの魔女になった少女の冒険ファンタジー。その主人公メアリ役で、若手注目女優・杉咲花が映画初主演。“はじめて”がいっぱいの『メアリ』だから、みんないっしょの目線で開幕です。

魔女になった少女の、はじめての冒険

主人公のメアリは何をやっても上手くいかず、自分に自身が持てない女の子。森で一夜だけ魔女になれる不思議な花を見つけ、魔法をめぐる大冒険を繰り広げながら成長していく。

ジブリ出身の2人が新スタジオで創る、はじめての長編

スタジオジブリの制作部門解散を受け、『かぐや姫の物語』('13年)でプロデューサーを務めた西村義明氏がスタジオポノックを設立。本作は米林監督と二人三脚で挑んだ第一作目。▶ 米林監督インタビューはコチラ

女優・杉咲花の、はじめての映画主演作

メアリを演じるのは『湯を沸かすほどの熱い愛』('16年)で日本アカデミー賞など各映画賞の助演女優賞を総ナメにした杉咲花。その天才的な演技により台詞を変えたシーンもあるとか。

▶ 杉咲花×神木隆之介インタビューはコチラ

作家メアリー・スチュアート、はじめてのアニメーション化作品

原作は英国の女流作家メアリー・スチュアートが'71年に発表した『The Little Broomstick』。同氏の小説が劇場長編アニメになるのははじめて。ちなみに著者はじめての児童文学とも言われています。

▶ 『メアリと魔女の花』関連書籍はコチラ

【魔女になる花】何をやっても失敗ばかり、そんな自分に自信が持てない女の子・メアリ。森で不思議な花”夜間飛行”を見つけた少女は、花の力で一夜限りの魔女に。不思議なほうきに導かれ、黒ネコのティブとともに雲海へと飛んだ先は!? メアリを待ち受けるのは、驚きや喜びに満ちた魔女体験。そんなファンタジーの入口は、あなたの傍にもきっとあります。メアリといっしょにLet's一日魔女体験

1.見たことのない花を探してみる

メアリが森で見つけた不思議な花“夜間飛行”は、一夜だけ魔女になれる禁断の魔女の花。何気なく通り過ぎていた道端に咲く知らない花にも、ちょっと目を止めてみて。

2.ネコを“使い魔”と呼んでみる

退屈なメアリの前に現れたネコのティブ&ギブが、彼女を魔法の大冒険に誘う。魔法世界で黒ネコを使役するのは一流の魔女の証!あなたの近くにいるネコももしかしたら……?

3.ほうきにまたがってみる

ちょっと小ぶりで扱いやすそうなほうきは、触れた途端まるで意思をもっているように動き出してメアリを大空に誘う。そんな魔法を信じてみたら、お掃除も楽しくなるよね!?

ジブリの匠技が描き上げた魔法世界

メアリが訪れる森や魔法世界を描いたのは、ビューティフルと称される背景美術を残そうと新設された美術スタジオ“でほぎゃらりー”を中心とした顔ぶれ。アドバイザーに美術家の男鹿和雄氏や武重洋二氏が名を連ねる。

【私の中にある魔法】変わりたくても変われなかった女の子は、魔女の花との出会いをきっかけに数えきれない奇跡を経験する。魔法の大学、不思議な住人、未知の生き物たち。異世界での彼女は、なぜかとても優秀な魔法使い。上手く乗りこなせないホウキに跨りながら、自分の中に眠っていたたくさんの気持ちをひとつひとつ開放していくメアリ。それはどんな魔法よりも大きな力。

ピーター[神木隆之介]

メアリと共に魔女の国を冒険するピーター役には『借りぐらしのアリエッティ』に続き7年ぶりの米林作品となる神木隆之介。若いふたりを取り囲む個性豊かなキャラクターたちに天海祐希、大竹しのぶらベテラン俳優勢が魔法を吹き込む。

▶ 杉咲花&神木隆之介インタビューはこちら

声の魔法で『メアリ』を彩る豪華キャスト
マダム・マンブルチューク[天海祐希]、ドクター・デイ[小日向文世]、フラナガン[佐藤二朗]、ゼベディ[遠藤憲一]、バンクス[渡辺えり]、シャーロット[大竹しのぶ]
SEKAI NO OWARIの主題歌

主題歌『RAIN』を歌うのはSEKAI NO OWARI。
民族楽器ハンマーダルシマーの神秘的な音色に乗せ、メアリの心情を空模様に重ね合わせた強く優しい王道ポップスもクセになる。

自分らしさ/記憶/涙
自分を好きになれないメアリ。でも魔女の世界では、コンプレックスの赤い髪まで褒められた。自分の嫌いなところも誰かから見たら輝いてる?そんなまさかの視線こそ、自分らしさを磨く第一歩。
物語の冒頭に登場するミステリアスな赤毛の魔女。その正体、そして魔女の花に隠されたヒミツが、あなたを夢のような冒険世界に誘ってくれる。この凛とした謎の魔女を満島ひかりが演じる。
嘘で大切な人を傷つけた。自分の力で助けに行かなきゃ。だったら、もう一回やり直すしかない。ちゃんと泣いた人なら、ちゃんと前に進めるはず。

いちばんの魔法は“勇気”

作品データ

■原作:メアリー・スチュアート(KADOKAWA刊) ■脚本:坂口理子 ■脚本・監督:米林宏昌 ■プロデューサー:西村義明
■音楽:村松崇継 主題歌:SEKAI NO OWARI「RAIN」(サントラ・主題歌/TOY’S FACTORY)
■出演:杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶ ■制作:スタジオポノック ■配給:東宝

本でハマる、ずっとハマる

『新訳 メアリと魔女の花』『メアリと魔女の花 ビジュアルガイド』『角川アニメ絵本 メアリと魔女の花』『The Art of メアリと魔女の花』『スタジオポノック絵コンテ集 メアリと魔女の花』『メアリと魔女の花 フィルムコミック』(上・下)