パヴレ・ヴイシッチ
Conductor
ドイツによるユーゴスラヴィア侵攻の前日の田園地方を舞台に、ベオグラード行きのバスに集まって来た人々の触れ合いを描く。製作はミラン・ジュムキッチ、監督はスロボダン・シャン、脚本はドゥシャン・コヴァチェヴィッチ、撮影はボジダル・ニコリッチ、音楽はヴォイスラヴ・コスティッチ、編集はラナ・ヴコブラトヴィッチ、衣裳はミラ・チョハジッチが担当。出演はパヴレ・ヴイシッチ、ドラガン・ニコリッチ、ダニロ・ストイコヴィッチなど。
1941年4月5日。それは、ドイツによるユーゴスラヴィア侵攻の前日にあたる。美しい田園地方、セルビアの片田舎に一軒家が建っている。ここが、首都ベオグラード行きのバスの出発点である。すでに数人の男たちがバスが来るのを待っていた。ベオグラードにオーディションを受けに行くという、自惚れやの男性歌手(ドラガン・ニコリッチ)、結核患者のはげ頭の男(ボリスラフ・スティエバノヴィッチ)、軍隊に入っている息子に面会に行くという老いた農夫(スタノイロ・ミリコヴィッチ)、二人のジプシー音楽師(ミオドラグ・コスティッチ)などである。そこにロバにまたがった農夫がやって来て、バスがパンク修理をして遅れると告げた。どのくらい遅れるのかと問いつめる男たちに、農夫は「俺の知ったことか」と捨て台詞を残し、再びロバに揺られて去って行った。遅れて駆けつけたハンター(タシュコ・ナチッチ)は、バスを待っている時間が惜しいと、次のバス停まで狩をしながら歩いていった。やがて、小さな丘の向こうから、白い煙を吐きながらやってくるバスの姿が見えた。遅れた事を悪びれる様子も見せず、太った車掌(パヴレ・ヴイシッチ)がバスから降りた。彼はバスの持ち主であり、息子二人が運転手として手伝っている。早くバスに乗ろうとあくせくしている男らを横目に、車掌はなかなか彼らをバスに乗せない。やっと「乗せろ!」と息子に命令する彼。ベオグラードへとバスは出発した。しかし、わずか百キロほどの道のりが、24時間もかかる長旅になるのだった。
Conductor
Singer
Moustache
Mishko
Bride
Bridegroom
Aleksa
Hunteer
Bald Head
Musician
Ploughmar
監督
脚本
製作
撮影
音楽
編集
衣装デザイン
字幕
[c]キネマ旬報社