バーバラ・ハーシー
Diana Roth
南アフリカのアパルトへイト問題を、一人の少女の目を通して描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはティム・ビーヴァンとグラハム・ブラッドストリート、製作はサラ・ラドクリフ、監督は「ミッション」でアカデミー撮影賞を受賞したクリス・メンジスで、これが監督デビュー作。自らの体験をもとにショーン・スロヴォが脚本を書き、撮影は「ナインハーフ」のピーター・ビジウ、音楽は「マイ・ビューティフル・ランドレット」のハンス・ジマーが担当。出演は「ハンナとその姉妹」のバーバラ・ハーシー、ジョデイ・メイ、リンダ・ムブシほか。88年カンヌ映画祭主演女優賞(ハーシー、メイ、ムブシの三人)。
一九六三年、南アフリカ共和国。13歳の少女モリー(ジョディ・メイ)とふたりの幼い妹の両親、弁護士の父親ガス(ジェローン・クラッペ)とジャーナリストの母親ダイアナ(バーバラ・ハーシー)は白人のなかでも数少ない反アパルトヘイト運動支持者だった。愛する両親がいま身の危険を冒してまで行っている活動に興味を持つほどの年齢ではないモリーであったが、父親ガスが治安警察の目を逃れ国外へ逃亡しなければならない状態になり、モリーの心は少なからず動揺する。彼女の心を慰めてくれるのは、家政婦のエルシー(リンダ・ムブシ)や彼女の弟で反政府活動家のソロモン(アルビー・レソト)ら黒人の友だち、それにクラスメイトのイボンヌ(ナディーン・チャルマース)ぐらいであった。そんな時、母親ダイアナが新たに施行された90日間拘留措置の適用を受け、逮捕される。モリーの回りの人々は突然冷たくなり、親友のイボンヌまでもが彼女との接触を避けるようになった。モリーはエルシーに連れられて黒人居住区を訪れ、彼らの悲惨な生活を目のあたりにする。教会での集会の場に治安警察がなだれ込み、ソロモン以下、直接関係のないエルシーやモリーまでも捕えられてしまう。彼女たちは取調べだけ済んだが、ソロモンは厳しい拷問を受ける。一方、屈辱的で地獄のような牢獄での日々に遂に耐えきれなくなったダイアナは自殺を図るが、幸いにも一命をとりとめ釈放となる。たが、24時間警察の監視下に置かれる。そんな時ソロモンの拷問死の知らせが届く。ショックを受けるエルシーとダイアナ。そしてモリーは家の前に張り込む警官たちに怒りをぶつける。彼女はだんだんと母親の運動の意義を知るようになり、母と娘は互いに心を開いてしっかりと抱き合った。ソロモンの葬儀の日、モリーは母とともに参列し、母や黒人の同志らと共に連帯の握り拳を空に突き上げるのであった。
Diana Roth
Molly Roth
Gus Roth
Miriam Roth
Jude Roth
Bertha
Soloman
Elsie
Yvonne
監督
脚本
製作
製作総指揮
製作総指揮
撮影
音楽
編集
字幕
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