ブリジット・リン
シャオホア
香港ニューウェイヴを代表する監督のひとりイム・ホーが、揺れ動く時代の波に翻弄される男女の姿を描いたドラマ。女同士の友情とヒロインが書いた小説、そして時代の流れを縦糸に、男女の愛の絡みを横糸に、物語が紡がれる。ドラマの激しさの中へと引きずり込む力強い映像と演出手腕が光る。主演は台湾出身の美人女優、「北京オペラブルース」のブリジット・リン。この作品で台湾金馬奨主演女優賞を受賞した彼女は、「恋する惑星 CHUNGKING EXPRESS」などでいまや世界から注目を集める存在となっている。彼女の恋の相手役に「生きてる限り僕は負けない」「フル・ブラッド」などのシン・ハン、親友役に「ポリス・ストーリー」シリーズでのジャッキー・チェンの相手役や、「いますぐ抱きしめたい」「欲望の翼」などの作品で注目され、「ロアン・リンユィ 阮玲玉」では香港女優として初のベルリン映画祭主演女優賞を獲得するなど、香港を代表するトップ・スターとなった感のあるマギー・チャンがそれぞれふんしている。マギーもこの作品で台湾金馬奨助演女優賞を受賞したほか、台湾金馬奨では作品賞、監督賞など計8部門を受賞している。
威圧的な父親の下、幽閉された少女期を送った女性作家シャオホア(ブリジット・リン)。父が死に、自由の身となった1938年、日中戦争のさなかに彼女はひとりの男と恋に落ちる。男の名はネンツァイ(シン・ハン)。日本のために働く彼は対日協力者として人々から忌み嫌われていた。彼の誠実な姿にひかれ、恋情を募らせていくシャオホア。そんな折、親友のイエファン(マギー・チャン)が彼女の元を訪ねてくる。やがて戦争は終わり、中国は敗れた。人々の恨みがシャオホアにも及ぶことを恐れたネンツァイは彼女の前から姿を消す。時は流れ、共産党と国民軍の内乱の時代。シャオホアとネンツァイは再会を果たすが、女と暮らすネンツァイに、今度はシャオホアが去っていく。再び偶然にも再会したふたりは、台湾へ渡ろうと誓い合う。だが、船へと殺到する人の波が、ふたりを引き裂いていくのだった。
監督、脚本
脚本
製作
製作
製作総指揮、美術
撮影
音楽
美術
編集
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