清水マリ
アトム
手塚治虫の原作、構成を「アトム西部へ行く」の林重行「思い出の日の町」の山本暎一。鈴木良武が共同で脚色、テレビ鉄腕アトムの演出者林、山本、高木厚が演出した、テレビもの映画化。撮影は「ある街角の物語」の佐倉紀行。
二十二世紀の初頭、月には基地が造営され、宇宙人との通信のために、間断なく電波が発射されていた。日本の科学省でも、お茶の水博士の指揮のもと、ロボット宇宙艇が建造されていた。あらゆる部品に電子頭脳を使ったロボットの統制管理は、アトムの仕事であったが、エンジンレバーだけが、部品の公開訓練中、南海の人工島、ブロンズ共和国へ連れ去られてそこで長官の死んだ息子トム少年に似せた人間のロボットに造りかえられた。この島の長官ベガ大佐は、部下のポポ博士と宇宙制覇のために、ロボット艦隊を研究中であった。だが、原理はロボット宇宙艇と同じであったが、実験は全て不成功であった。アトムがこれに成功したことを知ったポポ博士は、アトムに協力を依頼したが、断わられアトムのエネルギーと人工声帯をぬきとった。ポポ博士はアトム声帯を利用してロボット部品に命令を発し、海上にロボット艦隊を出現させた。一方アトムは、戦車のエネルギーを手に入れると、正気に戻りアトムの指揮によってベガ大佐とポポは捕われ、ロボット艦隊は全滅した。一方お茶の水博士はロボット宇宙艇に乗り月へと出かけた。国際宇宙局では博士からの連絡が途中から途絶えたのは、宇宙人に誘拐されたものと推測していた。博士を探すため、月へ行ったアトムは、地球防衛隊の一員として、訓練された。ある日宇宙人監視所からの連絡で、アトムは秘密基地にある宇宙人の建物に進入して、お茶の水博士を救出しようとしたが、宇宙人に発見され、電子頭脳に繋がれてしまった。アトムの通信機でコスミ博士とハルコが駈けつけ、宇宙人と大乱戦の末アトムと、お茶の水博士は地球へ戻った。地球に帰ったアトムは、冷蔵庫を持った少年べムに会った。べムはニコロ星で造られた超高性能爆弾で、冷蔵庫と二体で一つの体であると言った。ある日ニコロ星から来た三人の博士が、お茶の水博士の前に現われ、ベムを返して欲しいと話した。いやがるべムを渡したあとで、ベムが太陽爆破に使われる爆弾だと知らされ、アトムは円盤攻撃でべムを救い出した。まもなくニコロ星から地球を爆破するというニュースが入った。だが地球にはこの星を爆破する爆弾がなく地球は、恐怖と混乱に陥った。これを爆破するのは、ベムしかないのだ、アトムは彼を探したが人間を信じることが出来なくなったべムは、あざ笑うだけであった、がアトムの誠実さに負けて、ニコロ星と対決し、地球に再び平和をよび戻した。