監督、編集
新潟県・阿賀野川の川筋に生きる人々の川をめぐる暮らしと、水俣病におかされてきた事実を、3年にわたる現地での生活と撮影を通して作り上げたドキュメンタリー。監督は本作が長編初作品となる佐藤真。ナレーションは鈴木彰二が担当。16ミリ。
ストーリー
映画は川筋に暮らす人々--山間の鹿瀬(かのせ)町に住む長谷川芳男・ミヤエさん夫婦、木舟を作る大工・遠藤武さん、餅つきの職人・加藤作二さんとその妻キソさんらの日々を中心に進んでいく。長谷川さん夫婦の雨の日の稲刈り。川船頭・帆苅周弥さんの語る川風の呼び名、その帆苅さんが会長を務める水俣病患者の会の活動。鹿瀬町の夏祭り。長谷川さんがかつて行っていた鮭漁の自慢話。舟作りをやめて5年もたつ遠藤さんの仕事場。新潟水俣病の裁判史上はじめて、労働者の立場から水銀垂れ流しの実態を証言した江花豊栄さんの話。やがて遠藤さんははじめて弟子を取り、川舟造りを教えるようになり、また天正川の漁師たちが、長谷川さんの鉤釣り漁を再び行うという、夢の実現を手伝ってくれる。そしてまた春。今年も長谷川さん夫婦は田植えの準備を始める。(16ミリ)