シドニー・ポワチエ
Homer_Smith
ウィリアム・E・バレットの原作を「八十日間世界一周」(アカデミー賞)のジェームズ・ポーが脚色、TV出身のラルフ・ネルソンが製作・演出したヒューマニズムドラマ。撮影は「風と共に去りぬ」(アカデミー賞)のアーネスト・ホーラー、音楽は「マンハッタン物語」のジェリー・ゴールドスミスが担当した。出演は「長い船団」のシドニー・ポワチエ、TVドラマ「プレイハウス90」のリリア・スカラ、フランセスカ・ジャービス、アイサ・クリノ、リザ・マン、パメラ・ブランチ、「ティファニーで朝食を」のスタンリー・アダムスなど。
キャンプ用具を積み込んだステーション・ワゴンを運転して気楽な旅を続けている黒人ホーマー(シドニー・ポワチエ)はアリゾナ砂漠のはずれでエンストをおこし、荒地を耕す、東独を亡命してきた修道女たちと会った。修道女たちは、この荒地に教会を建てるという無謀な望みを持っていた。ホーマーは水を貰い、かわりに雨洩りの修理を申し出た。テントで眠っていたホーマーは、翌朝マリア院長(リリア・スカラ)にたたき起こされ、教会設立の準備を命じられた。しかし、マリア院長から渡されたのは、下手な教会のスケッチが1枚だけ。純真なマリアは、神様の導びきでホーマーが、自分たちのためにやってきたに違いないと思い込んでいたのだ。気のいいホーマーはマリア院長の熱意と断固たる信念に押しきられ、仕事を手伝うことになった。建築資財は修道女たちが集めることになった。ホーマーも、女たちに頼りにされて仕事が次第に面白くなっていった。しかし食事の粗末なことには、ホーマーも閉口し、村の建設会社で働き、その給料で食料品を買った。しかしマリア院長は、ホーマーが、資財より食料品を買いこむのが気にいらず、ついにホーマーと衝突し、ホーマーは怒って去っていった。それから何日目かの日曜日が来た。砂漠地帯を歩く修道女のもとに、遊びつかれたホーマーが帰ってきた。修道女たちは感動をもって彼をむかえた。心をいれかえたホーマーは月給で建築資財を買い、独力で教会を建てようとした。これを聞き知った建築会社の社長が助力をかってでた。マリア院長は双手をあげて歓迎した。ホーマーも1度は自尊心を傷つけられ、ムクれたものの、自分の指示の下に仕事がすすめられることに満足した。やがてこの友情と信頼にささえられて教会は完成した。修道女たちが、霊歌を歌うのを後に、ホーマーはステーション・ワゴンで静かに遠ざかっていった。
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