トム・クルーズ自ら映画化を熱望した『バリー・シール／アメリカをはめた男』のブルーレイ＆DVDが、いよいよ発売。CIAや麻薬王まで手玉にとり、“アメリカが歴史から消したい男”とまで呼ばれた実在のパイロット、バリー・シール。そのクレイジーな駆け引きこそ、本作の魅力！文／神武段四郎

モラルも常識もなし！天才パイロットにして運び屋
“稀代のハッタリ男”バリー・シールにダマされろ！

CIAの秘密工作を
請け負い1フライトで荒稼ぎ！

大手航空会社のパイロット、バリー。10代から操縦桿を握ってきた“天才”にとって、平凡なフライトはただ退屈なだけだった。そんなバリーの才能を見抜いたCIAは彼をヘッドハンティング。中南米の敵対国家の軍事施設の盗み撮りや、武器輸送などの工作活動を依頼する。スリル満点のスパイ飛行と、1回1億円の報酬。趣味と実益を兼ねた裏家業にバリーはのめり込んでゆく。そんな彼の腕前に目を付けたのが、アメリカへの密輸ルートの確保を狙うコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバル。やがてCIAと麻薬王、ダブルの運び屋というバリーの危険な働き方改革が始まった！爽やかで人なつこい笑顔を武器に、巨万の富を稼ぐバリーのダマしっぷりは痛快。

札束の隠し場所に困る生活に
妻も疑惑の目!?

仕事の大胆さとは裏腹に、家庭ではよき夫で父であるバリーは“転職”の件を妻ルーシーには隠していた。しかし小さな航空会社を設立し、仕事に行くたび札束の詰まったボストンバッグを持ち帰る夫の稼ぎっぷりにルーシーの疑念は高まるばかり。そんな妻をなだめるように、バリーは新車に服や宝石と、贅沢三昧でご機嫌を取ってゆく。一方パブロからの報酬は、出所を隠すためマネーロンダリング（資金洗浄）が不可欠だった。ところが莫大な現金は町の銀行に収まりきらず、バリーの家はクローゼットから天井裏まで札束であふれ、庭に大きな穴を掘って埋める始末。ロンダリングのためのダミー会社まで設立と、どこまでウソを重ねれば済むのやら…。

ヤバい家業に手を染めすぎて
あらゆる組織にねらわれる！

CIAと麻薬王から稼ぎに稼ぎ、おまけにCIAから預かった武器の横流しにまで手を染めるバリー。しかし天文学的な資産額と怪しい業務内容から、警察やFBIに目を付けられてしまう。確証をつかんだ警察機関はついにバリーの逮捕に踏み切るが、当の本人は涼しい顔。やがて裁判所にホワイトハウスから一本の電話が入る。なんとバリーのダマしのテクニックに目を付けたアメリカ政府が、レーガン大統領直々の“仕事”を依頼してきたのだ。標的はバリーの取引相手である、麻薬王パブロ。取引現場を隠し撮りし、その証拠をもとにパブロの組織を叩くという。ただし、もしも囮だとバレたら命はない。バリーはどこまでダマしきれるのか？

『バリー・シール／アメリカをはめた男』あらすじ

刺激を求めて世界中を飛び回った天才パイロットの行く末は？

米ソ冷戦が激化していた1978年。大手航空会社TWAで働くバリー・シールは、そのテクニックをCIAに買われスパイ機のパイロットになる。彼の仕事はレーダーをすり抜けソ連の息のかかった中南米の国々に飛び、軍事施設の写真を撮ること。超低空飛行で撮影した彼の写真はCIAで高い評価を獲得した。そんなバリーに麻薬組織メデジン・カルテルのパブロ・エスコバルが密輸を依頼。バリーはCIAの仕事を終えた帰り道、コカイン運びを開始する。仕事量の増加に伴いパイロットを雇ってまで荒稼ぎするバリーだが、思わぬ落とし穴が待っていた…。

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