第91回アカデミー賞主要6部門を大予想!
日本時間2月25日(現地時間2月24日)に迫った第91回アカデミー賞授賞式。今年はどんな作品、人物がアカデミー賞の栄冠に輝くのか…。そこで、映画ライターたちによる受賞予想を一挙ご紹介!
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『ROMA/ローマ』に主要賞をかっさらってほしいけど…
(よしひろまさみち)今年は例年と比べ「誰がどう観ても大本命!」と呼べるアートな劇場公開作に欠くことや、昨年の「人気映画賞」設立~延期騒動からして、興行的に成功した映画にチャンスを与えるのでは、という下心も見え隠れ(視聴率回復目的)。とすると、作品賞・俳優賞はPGA賞(全米製作者組合賞)とSAG賞(全米映画俳優組合賞)の結果に即する可能性が高い。『ROMA/ローマ』は、全編スペイン語ということ、また北米の劇場はNetflixを敵視していることから、主要部門は逃すのでは?長編アニメ映画賞は『スパイダーマン:スパイダーバース』の興行的成功が目立ち有力候補に急浮上。ディズニー、ディズニー/ピクサーは共に続編映画ということがマイナス要素となる(今年はイルミネーション・エンターテインメントが候補入りしていないのも番狂わせ)。個人的には『ROMA/ローマ』が主要賞をかっさらってほしい気分だけど、客観的に見つめるとこうなるかな~。
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最大の注目ポイントは、日本関連の作品!
(折田千鶴子)最大の注目ポイントは、『万引き家族』『未来のミライ』に加え『犬ヶ島』と、日本関連の作品がどこまで食い込めるか。願いや祈りを込めて予想したくなるのだが…。それに大きく関わってくるのが『ROMA/ローマ』の存在。作品賞、監督賞をまとめて獲ってしまうのでは…。それも画期的と思いつつ、監督賞と外国語映画賞で落ち着くのではないか、と。『ROMA/ローマ』次第では、『万引き家族』の受賞も大いに期待したいところ。主演女優賞はほぼグレン・クローズで決まりと言われているが、どうしたって今回はオリヴィア・コールマンの方が評価されてしかるべき、とココは頑固に推したい。助演は男女ともほぼ下馬評通り、波乱はなさそう。授賞式的にはブラッドリー・クーパーとガガ様が関わってくれたらうれしいとひそかに期待をしているが…。ここへ来て『バイス』の追い上げ、そして『ブラック・クランズマン』の作品力と、今年、最も読めないのが作品賞!
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授賞式での大ハプニングにもひそかに期待!?
(斉藤博昭)今年は作品賞大混戦の中、Netflixのオスカーキャンペーンが例年以上に強力で、『ROMA/ローマ』も受賞濃厚だが、PGA賞(全米製作者組合賞)やトロント国際映画祭を制し、作品としても大好きな『グリーンブック』を最後まで応援したい。『ROMA/ローマ』が作品賞で本命となり、外国語映画賞で投票者の心理が別作品にはたらけば『万引き家族』の可能性もあると考えると、複雑な心境ではあるが…。賞の総数は『ROMA/ローマ』がトップになりそうだが、主要部門の結果はバラけるはずで、演技賞はSAG賞(全米映画俳優組合賞)の結果に準じつつ、『バイス』のクリスチャン・ベールは演技の域を超えており、個人的強烈プッシュのラミ・マレックと最後まで接戦になる予感。作品内でも女王陛下を取り合った助演女優賞の2人が票割れしてしまうのが残念か。ギリギリまでホストが決まらない混乱で、授賞式での大ハプニングもひそかに期待しちゃいます!