監督インタビュー

スティーヴン・S・デナイト
監督&脚本

スティーヴン・S・デナイト

米ニュージャージー州出身。『スパルタカス』シリーズ('10〜'13)、『マーベル/デアデビル』('15)ほか人気ドラマに監督やプロデューサーとして携わってきた。本作が初の長編映画監督作となる。

子供の頃からの思いを反映して
最終決戦の地を東京にした

―前作から踏襲した点と、あなたが新たに創造した点を、それぞれ教えてください。

「前作の終盤でギレルモ・デル・トロ監督は全イェーガーを破壊したので、ジプシー・デンジャーを復活させることは最初から決まっていました。ただ、進化した新しいジプシーにしたかったので、名前も変えてジプシー・アベンジャーに。新しいジプシーには、もちろん元の要素も取り込んでいます。あとはデル・トロがつくり上げたものを進化させました。先の戦いから10年の間に人類はイェーガーをゼロからつくり直すことができたので、新しい武器や装置を身につけているんです」

―怪獣映画や日本のアニメーションがお好きだと伺いました。本作の参考にした作品やキャラクターはありますか?

「自分の思い出に戻るだけでした。子供の頃『ウルトラマン』が大好きだったんです。だから本作のKAIJUは、私が好きだったスーツを着たキャラクターが出てくる作品から影響を受けています。デザイン・チームも同じような経験をしてきて、私たちは日本の怪獣映画を観て育ったんですよ。その時の思いを反映したかったので、最終決戦の地を東京にしました。初代『ゴジラ』の頃から、東京での大戦闘が好きなんです。本作の街並みのモデルは2035年の東京。前作では東京は舞台のひとつとして破壊されていましたが、今回は未来の巨大東京をつくりたかったんです。進化した、ホログラクィックな美しい東京ですが、もちろんそれを破壊します(笑)」

―イェーガーとKAIJU、両方がパワーアップしていますね。

「イェーガーもKAIJUもTVゲームのような感覚でつくりました。特殊技能は何なのか、とかね。だからどのイェーガーも特殊技能を必ずひとつは備えていて、各KAIJUにも特徴がある。ポイントは人類とPPDCがイェーガーを強化している間に、KAIJUも進化していること。両者共が先の戦いで学び、共に進化した武器(技能)を備えているんです。
イェーガーに関して言えば、機体とパイロットの動きをもっと自由にしたいと思いました。アップグレードした機体ではパイロットの手足はイェーガーに固定されていなくて、マグレブ(磁気浮上)システムを採用しています。なのでパイロットたちの動きが自由になり、セイバー・アテナは回し蹴りもできる。自由にさまざまな技を決められるようになり、私たちも大興奮ですよ。いちばん進化したイェーガーはオブシディアン・フューリーですね。この機体には操縦者が誰か、なぜPPDCを攻撃するのかという謎がつきまといます。前作のファンとして見てみたかったことのひとつがイェーガー同士の戦闘なんです。本作のような世界で、誰かがイェーガーを悪用するのは時間の問題だと我々は考えました。オブシディアン・フューリーは、間違いなく今回いちばんの悪役ですね」

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