サリー・カークランド
Anna
かつての名女優が彼女を慕う少女の出現によって錯乱していく姿を描く。製作・監督・脚本はユレク・ボガエヴィッチ、共同製作はザンヌ・ディヴァイン、共同脚本はアニエシュカ・ホランド、撮影はボビー・ブコウスキー、音楽はグレッグ・ホークスが担当。出演はサリー・カークランド(ロサンゼルス映画批評家協会最優秀主演女優賞、ゴールデン・グローブ最優秀主演女優賞受賞、及びアカデミー賞最優秀主演女優賞ノミネート)、ポーリーナ・ポリスコワ、ロバート・フィールドほか。
チェコスロヴァキア生まれの年老いた元映画スター、アンナ(サリー・カークランド)は、アメリカに亡命して今はニューヨークに住んでいるが仕事が殆どなく、連日オーディションを駆けずり回っている。ある日彼女はオーディションの後でクリスティーナ(ポーリーナ・ポリスコワ)という不思議な少女に後をつけられた。少女は映画スター、アンナに憧れてチェコスロヴァキアからやって来たところで、極度の疲労と空腹でその場に倒れてしまう。仕方なくアンナは少女をアパートに連れ帰った。少女のバッグにはアンナの古い写真やアンナに関する切り抜きが沢山入っていた。アンナには仕事が入るが、それは小劇場での代役であった。彼女はその仕事に不満を感じながらもそれを受け入れるほかなかった。また前夫トンダとの報われない関係、そして恋人ダニエル(ロバート・フィールド)との関係について思い悩む毎日を送ってもいた。落ちぶれてしまったアンナとは裏腹に、英語を覚え汚い歯を真白に治し、アンナから化粧を習うなどして見るまにアメリカ文化に溶け込みどんどん美しくなっていったクリスティーナは、小さなきっかけから認められ、とうとう大作映画の主役の座をつかんだ。彼女は以前アンナが語ってくれた生い立ちを、テレビのインタヴューでまるで自分のもののように語って視聴者を感激させた。アンナにはそれが大きなショックとなり、精神に異常をきたしてしまう。そしてクリスティーナを追い出してしまった。仕方なくクリスティーナはダニエルにマネージャーになってもらい、映画のロケに出かけた。アンナは欝に陥り、しばらく呆然と過ごしていた。そんな時、皮肉なことに彼女は代役として念願の舞台に立つ機会を得た。しかし精神に異常をきたしてしまった彼女にはその代役をこなすことなど到底できず、それどころか舞台をめちゃめちゃにしてしまった。アンナは錯乱状態のまま、いつのまにかクリスティーナの映画のロケ現場に姿を現わした。しかもその手には1梃の拳銃が握られ、銃口は真っすぐクリスティーナへと向けられていた……。
Anna
Krystyna
Daniel
Baskin
Professor
Agent
監督、脚本、製作
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
録音
字幕
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