アマチュア無線、G-SHOCK、公衆電話…『同感〜時が交差する初恋〜』で辿る1990年代の懐かしアイテム
韓国エンタメ界をけん引する若手演技派のヨ・ジングと、注目の次世代俳優チョ・イヒョンのダブル主演映画『同感~時が交差する初恋~』(2月9日公開)。本作より、1990年代を疑似体験できるようなノスタルジックなアイテムを写した場面写真を独占入手した。
1999年に生きる男子大学生ヨン(ジング)と、2022年に同じ大学に通う女子大生ムニ(イヒョン)が、1台の古い無線機で偶然交信したことから始まった奇妙な交流を描く本作。異なる時代を生きる2人の時を超えた出会いを通し、初恋のピュアなときめきと甘酸っぱさが感じられる奇跡のようなラブ・ストーリーに仕上がっている。
ヨン役には若手演技派ジング。彼のキャリアはすでに20年近く、ドラマ「ホテルデルーナ〜月明かりの恋人〜」や「怪物」といった様々なジャンルの作品で活躍の場を広げている。2022年に生きる大学生ムニ役には、日本でも話題となった「賢い医師生活」や「今、私たちの学校は...」などの大ヒットドラマで急激に存在感を高めているイヒョン。ヨンの後輩ハンソル役に「SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜」のキム・へユン、ムニの幼馴染ヨンジ役に「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」のナ・イヌ、ヨンの親友ウンソン役に「シュルプ」などの話題作で人気上昇中のペ・イニョクと、フレッシュな韓国ライジングスターが集結。さらに、日本でも社会現象を巻き起こしたドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョンが作品に深みを与えている。また、監督、脚本を『告白』(20)の新鋭監督ソ・ウニョンが担当する。
1999年が舞台の一つである本作では、日本人でもノスタルジーを感じずにはいられないアイテムが多数登場する。まず、ドラマが生まれるきっかけとなったのが“アマチュア無線”。日本では、1987年公開の『私をスキーに連れてって』が火付け役となり国内でも大流行。本作では、1999年のヨンと2022年のムニが奇跡的な出会いをはたす際に無線機が用いられた。続いてのアイテムは、日本が生んだ腕時計“G-SHOCK”だ。いまでも人気のG-SHOCKだが、1983年に「落としても壊れない丈夫な時計を作りたい」というエンジニアの思いから生まれたという。先にアメリカでスケーターやサーファーから支持されると、逆輸入する形で日本国内でもじわじわ広がりを見せ、1997年に大ブームが巻き起こった。
ヨンの時代では、“公衆電話”の使用率もまだまだ高く、すでに携帯を持っているヨンに対し、ハンソルはポケットベル。携帯も普及しつつあるものの、電話ボックスには長蛇の列もできるほど。現在でも、映画やドラマで重要な役割を担うシーンも多い印象だ。そして、劇中でヨンが使用しているのは“有線ヘッドフォン”。いまでは無線である上に耳の中にすっぽりおさまるカナル型や、骨伝導など耳に入れさえしないタイプの商品まで登場しており、すでに有線ヘッドホンに懐かしさを感じる人もいるのではないだろうか。続いてのアイテムは、1960年代より徐々に普及し始め1980年代には一般家庭でもユーザーが増えていった“ビデオカメラ”。現在では、スマートフォンがビデオカメラにとって変わる存在であり、若い世代はあまり馴染みがない人も増えているのではないだろうか。
続いては、韓国の伝統的なインスタントラーメン、その名も「トシラク(お弁当)」。ラーメンでは珍しい四角いパッケージとなっており、韓国らしくピリ辛な味だという。そしてラストは、日本でも大流行した1999年の“終末論”だ。「1999年7の月、空から恐怖の大王が降りてくる」というノストラダムスの大予言は、関連書籍が相次いで出版されテレビの特番が組まれるなど社会現象を巻き起こした。しかし、1999年7月になっても異変が起きることはなく、人類は無事に2000年を迎えられた。
国は異なるものの、隣国だけあり日本の1990年代も疑似体験できるようなノスタルジックな郷愁に浸れる本作。懐かしいアイテムたちにも注目しながら映画を楽しんでみるのも一興だろう。
文/サンクレイオ翼