『35年目のラブレター』同役を演じた笑福亭鶴瓶&重岡大毅、映画を観た人から「『似ている』と言われる」

『35年目のラブレター』同役を演じた笑福亭鶴瓶&重岡大毅、映画を観た人から「『似ている』と言われる」

ある夫婦の本当にあった話を映画化した『35年目のラブレター』(3月7日公開)のお披露目試写会が2月3日に日経ホールで行われ、笑福亭鶴瓶、原田知世、重岡大毅(WEST.)、上白石萌音、安田顕、くわばたりえ、塚本連平監督が出席した。

『35年目のラブレター』(3月7日公開)のお披露目試写会が開催された
『35年目のラブレター』(3月7日公開)のお披露目試写会が開催された

戦時中に生まれ、十分な教育を受けることができなかったことから読み書きができないまま大人になった保が、自分を支えてくれた最愛の妻、皎子への感謝を自身で書いた手紙で伝えようと、夜間中学に通い始める姿を描く。主人公の西畑保を鶴瓶、その妻を原田、西畑夫妻の若かりしころを重岡と上白石が演じる。

充実感を滲ませた笑福亭鶴瓶
充実感を滲ませた笑福亭鶴瓶

鶴瓶は「これに出られてよかったなと、自分でもほんまに思う。監督に『撮れてよかったと思ってはります?』と質問をしたら、『すごいよかった』と。『こんなにいい作品はない』とおっしゃっていました。ぜひ楽しんでいただきたい」と充実感たっぷり。

鶴瓶との共演に「幸せ」と感激した原田知世
鶴瓶との共演に「幸せ」と感激した原田知世

「やっと観ていただける」とお披露目に感激しきりの原田も、「自分が出ているにも関わらず、この作品が大好きだなと思えた。1日でも早く届けたいと思った」とはやる気持ちを口にしていた。

映画への愛情を吐露した上白石萌音
映画への愛情を吐露した上白石萌音

若かりしころの西畑夫妻を演じた重岡と上白石は、『溺れるナイフ』(16)以来の共演を果たした。重岡は「西畑夫妻を演じさせてもらうと聞いて、相手の皎子さんが上白石さんで本当によかったなと思いました。すごく安心した」と胸の内を明かし、上白石も「こちらこそです」とお辞儀をし合った。上白石が「信頼しています」、重岡が「僕もです。うれしいです」と続くなどテンポのよいやり取りで会場を沸かせながら、重岡は「台本を読ませていただいて『なにかをやることに遅いことはない』というメッセージがすごく自分にも刺さって、この映画を通して伝えたいなと思った。楽しかったよね」としみじみ。上白石も「楽しかった」と目尻を下げ、「尊敬する役者さんなので、ご一緒できるのもうれしかったですし、私たちが将来、鶴瓶さんと原田さんになるという、未来へのワクワクもいただきながら撮影を進めました」と喜びを吐露していた。

「ちょっと僕の顔に似せています?」
「ちょっと僕の顔に似せています?」

劇中で、同一人物の過去と現代を演じた鶴瓶と重岡。鶴瓶がメガネを外して重岡をじっと見つめると、重岡は「ちょっと僕の顔に似せています?」と応じ、これには会場も大笑い。上白石が「瓜二つ」と茶目っけたっぷりにツッコむ場面もありつつ、鶴瓶と重岡がニコニコと楽しそうにやり取りを繰り広げた。西畑夫妻の“永遠のお隣さん”を演じたくわばたは、鶴瓶と重岡が同一人物を演じると知った時には「重岡くんから、師匠になる。初めはいい加減にしてくれと思った。若いときはお目目ぱっちりで。なにがあったんだろうと思った」とぶっちゃけ。「でも皆さん、これがあら不思議。なんの違和感もないんですよ。重岡くんはすごくお芝居が上手で、若いころの苦悩が全部出ているから、鶴瓶師匠(が演じた保)の頑張りが余計にわかる」と太鼓判を押した。映画を観た人からは「(鶴瓶と重岡が)似ている」という感想をもらうという重岡は「うれしさと複雑さが半々」と冗談混じりに語り、鶴瓶から「こんな顔ちゃうわ!なんや!」とツッコまれていた。

息ぴったりのトークで会場を沸かせた安田顕、くわばたりえ
息ぴったりのトークで会場を沸かせた安田顕、くわばたりえ

また保が通う夜間中学の教師、谷山役の安田は「この脚本の映画に呼んでもらったなら、なんでもやろうと思った」と惚れ込んだことを告白。さらに「鶴瓶さんはすごくお世話になっている方。違う現場でも、現場に行くたびに、スタッフさんに『みんな、聞いて。こいつ、すごくええ役者!もっとセリフあげてくれ!』と言ってくれたりする。こういう方に私はなりたいと思う」と鶴瓶の人間力を証言していた。鶴瓶は「完全に先生になっていた。すばらしいと思った。その後に違う仕事に行ったら、安田顕になっている。この方は、いろいろな顔を持っている」と惚れ惚れとしながら、「北海道から出てきはって、苦労しはったと思いますよ」とコメント。安田は「ありがとうございます。また番組に呼んでいただけたら」とうれしそうに答えていた。


夫婦役を演じた笑福亭鶴瓶&原田知世
夫婦役を演じた笑福亭鶴瓶&原田知世

最後に原田は「鶴瓶さんとご一緒できて幸せ。皎子さんが保さんを見つめたように、鶴瓶さんのそばで見て感じること。それだけでいいのかなと思って、そばにいました。そうすることで自然と皎子さんが近づいてきたような気がします」と鶴瓶と過ごす時間が役作りとなったそうで、「鶴瓶さんと、保さん皎子さんの長い人生を体感したような、とても不思議な感覚がありました」としみじみ。鶴瓶も「本当に幸せでしたね」と噛み締め、「今日、お会いできるのを楽しみにしていました。お会いできるのがうれしい。お姉さんも、姪御さんも知り合いで。ちょっとした親戚のような感じ」と原田と顔を見合わせ、「夫婦のよさ、人間の愛。35年、その人を愛した部分がすごく出ている」と改めて本作に大きな愛情を傾け、会場から拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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