ベリル・リード
June_Buckidge
ロンドン、ブロードウェーで大ヒットした舞台劇「シスター・ジョージ殺し」の映画化。大女優の華やかな世界にひそむ、孤独と倒錯をあばいた作品。製作と監督に当たったのは「女の香り」のロバート・アルドリッチ。また、フランク・マーカスの戯曲を脚色したのは「特攻大作戦」のルーカス・ヘラー。撮影は「飛べ!フェニックス」のジョセフ・バイロック、音楽は「0011ナポレオン・ソロ ミニコプター作戦」のジェラルド・フリード、衣裳は「女の香り」のレニーが担当。出演はブロードウェーの“トニー賞”に輝くベリル・リード、「第七の暁」のスザンナ・ヨーク、「女の香り」のコーラル・ブラウン。ほかに「華麗なる悪」のロナルド・フレイザー、「緯度0大作戦」のパトリシア・メディナ、舞台俳優のヒュー・パディックなど。
ジューン(ベリル・リード)とアリス(スザンナ・ヨーク)は女2人だけのアパート暮らしをしていた。ジューンはTVの人気番組「シスター・ジョージ」の主演スターだが、酒飲みの乱暴な女だった。そして、BBC放送の次長マーシー(コーラル・ブラウン)と、彼女が起こした事件のことで口論してしまい、さらに悪いことには、彼女の人気が落ち目のため、番組をおろされることになってしまった。監督のフレディ(ヒュー・パディック)に脚本の改定を要求したが、結局無駄であった。悶々の日々のはけ口を、ジューンはアリスに求めた。一方、まだ人形を抱いて寝るようなところのあるアリスは、ジューンの愛情と、マーシーの接近に微妙に心が揺いでいた。やがて、アリスとマーシーの仲を怪しんだジューンは、ある夜、激しくアリスを責め立てた。その結果アリスが口にした告白は、ジューンに一層の悲しみを与えた。局で行われたジューンのお別れパーティの晩、アリスとマーシーは、ベッドで女2人の魅惑的な姓の世界にひたっていた。しかし、そこにジューンが現れた。その場で、自分たちの訣別は、もはや避けることの出来ないものであることを2人は知ったのだった。アリスが去り、栄光も華やかさもすべてが去ってしまった後、ジューンは自らの手で「シスター・ジョージ」のセットを壊しながらひとり涙にくれるのだった。
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Betty_Thaxter
Freddie
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