エマ・トンプソン
Elinor Dashwood
近代英国を舞台に、対照的な性格の良家の姉妹が、結婚をめぐる愛とお金の問題を越えて幸福をつかむまでをコミカルに描いた一編。18世紀の女性作家ジェーン・オースティンが1795年に発表した小説『いつか晴れた日に 分別と多感』(小社刊)の映画化。脚色は、主演もつとめた「キャリントン」のエマ・トンプソンで、映画の脚本は初挑戦だったにもかかわらず、第68回アカデミー脚色賞を女優として初めて受賞。主要キャストも彼女の人選によるもので、英国を代表する映画・舞台俳優が集結。監督は「ウェディング・バンケット」「恋人たちの食卓」で、ニューヨーク・インディーズの旗手となった台湾出身の映画作家、アン・リー。エグゼクティヴ・プロデューサーは「サブリナ」のシドニー・ポラック、製作はポラックのミラージュ・プロの、「愛と死の間で」でトンプソンと組んだ、「サブリナ」のリンゼイ・ドラン。製作補はアン・リーの盟友で「推手」以来、パートナーを組むジェームズ・シェイマス、ローリー・ボーグ。撮影は「フォー・ウェディング」のマイケル・コールター、音楽は「リトル・プリンセス」のパトリック・ドイル、美術は「ハワーズ・エンド」(アカデミー賞受賞)のルチアーナ・アリジ、編集はアン・リーとは全作品で組むティム・スクイアーズ、衣裳は「眺めのいい部屋」(アカデミー賞受賞)のジェニー・ビーヴァンとジョン・ブライトのコンビがそれぞれ担当。共演は「乙女の祈り」のケイト・ウィンスレット、「恋する予感」のアラン・リックマン、「9か月」のヒュー・グラントほか。第68回アカデミー賞脚色賞受賞(エマ・トンプソン)はじめ、各賞にノミネート。96年度キネマ旬報外国映画ベストテン第10位。
19世紀初頭。イングランド南西部はサセックス州。私園ノーランド・パークの主ヘンリー・ダッシュウッドは臨終の床で、先妻の息子の長男ジョン(ジェームズ・フリート)に、現在の妻ダッシュウッド夫人(ジェンマ・ジョーンズ)と3人の娘たちの世話を託して死ぬ。ジョンは彼女らの世話をしようとするが、強欲な妻のファニー(ハリエット・ウォルター)がそれを阻止、父の遺言は反故に。ファニーはノーランド・パークに乗り込み主人風を吹かせ、ダッシュウッド夫人らを新しい家に追い立てようとする。分別ある長女エリノア(エマ・トンプソン)は礼を尽くすが、多感な次女のマリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)はあからさまに嫌悪の情をみせ、おてんばな三女マーガレット(エミリー・フランソワ)は隠れているばかり。そんな折り、ファニーの弟エドワード・フェラース(ヒュー・グラント)がパークを訪れる。礼儀正しく控え目な彼にエリノアはひかれ、二人はやがて親密な仲に。二人の結婚を夢見るダッシュウッド夫人だったが、ファニーは「貧乏娘が金持ちにたかろうとしている」と彼女を侮辱。怒った夫人は従兄のジョン・ミドルトン卿(ロバート・バーティ)の申し出を受け、彼の小さな別荘バートン・コテージに引っ越すことを決めた。バートン・パークでジョン卿とその義母ジェニングス夫人(エリザベス・スプリッグス)の歓待を受けた母娘は、つましい生活をはじめる。そこへジョン卿の親友で隣人のブランドン大佐(アラン・リックマン)が来訪。大佐はマリアンヌに会うや一目で彼女を愛するようになる。ところがその矢先、彼女の前に“白馬の騎士”が文字通り登場。その若く魅力的な紳士ジョン・ウィロビー(グレッグ・ワイズ)にマリアンヌは虜になる。一方、エリノアはエドワードがコテージを訪れるのを待ったが、音沙汰はない。ある日、ブランドン大佐がダッシュウッド一家をピクニックに招待した日。大佐は急な知らせを受けて、慌ただしくロンドンへ。ウィロビーはマリアンヌに明日重要な話をすると語り、皆はプロポーズを期待。翌日、マリアンヌを残し教会へ行った一家が戻ると、泣きじゃくるマリアンヌの姿が……。ウィロビーは理由を言わず、資産家の叔母レディー・アレンの言いつけでロンドンに戻ると逃げるように去った。一方、エリノアはジェニングス夫人の姪で、夫人の娘夫婦シャーロット(イメルダ・スタウントン)とパーマー氏(ヒュー・ローリー)と滞在中の令嬢ルーシー・スティール(イモジェン・スタップス)がエリノアに、自分は5年前からエドワードの婚約者だと打ち明け、秘密を守ることを約束させられた。沈む姉妹をジェニングス夫人がロンドンに招待。ところがロンドンに着いても、マリアンヌの再三の手紙にもかかわらず、ウィロビーから音沙汰はない。姉妹は舞踏会でウィロビーに再会。しかし彼はマリアンヌによそよそしいばかりか別の貴婦人の方へ歩み去る。エリノアもジェニングス夫人のお膳立てでエドワードに会えるはずが、ファニーが連れて来たのは末の弟のロバートだった。マリアンヌはウィロビーからの別れの手紙で、彼が持参金つきの娘と結婚すると知って絶望の淵に。彼女の身が心配なエリノアは、帰郷するためブランドン大佐に助けを求める。大佐はエリノアに驚くべき事実を話す。大佐には亡くなった恋人の私生児ベスがおり、何と彼女ははウィロビーの子を妊娠したというのだ。これで彼は叔母の遺産の相続権を失い、マリアンヌを諦め、財産ある娘との結婚を決めたのだ。エリノアはすべてをマリアンヌに伝えた。一方、ルーシーは舞踏会でロバートと意気投合、ファニーとも知己を得たとエリノアに報告に来る。そこへ偶然エドワードが来訪。しかし再会を喜び合う間もなく、エドワードはルーシーと去り、エリノアは黙ってそれを見送る。夢見心地のルーシーは、ファニーに意中の人を告白。ところがファニーは逆上、「性悪女!」とルーシーを追い出す。ジェニングス夫人はエドワードが母親の命令であるルーシーとの婚約破棄を拒否したため、財産の相続権を失ったというニュースを姉妹に伝える。エリノアが二人の婚約を知っていたことを姉の表情からマリアンヌは直感。辛い思いを初めてエリノアは初めて打ち明ける。一方、ブランドン大佐はエドワードの苦境を知って、自分の領地の提供を申し出、頼まれたエリノアは辛さを隠して、エドワードに大佐の言葉を伝える。やがて二人は帰郷の途に。パーマー夫妻の屋敷に滞在中、マリアンヌはウィロビー邸をのぞむ丘で悲しみに浸る。嵐に打たれ、倒れていた彼女を見つけたのは大佐だった。重い流感にかかったマリアンヌを必死で看病するエリノア。大佐はいてもたってもいられず、エリノアの頼みでダッシュウッド夫人を連れに行く。マリアンヌは一命をとりとめ、苦しい息で大佐に初めて礼を言う。春。健康を回復したマリアンヌの傍らには、いつも彼女に愛情を注ぐ大佐がいた。そこへ突然、エドワードがやって来る。結婚の噂を聞いていた一家はエドワードに新婚生活をたずねる。ところが驚いたことに、エドワードはまだ結婚していなかった。ルーシーはロバートに愛を移して、彼と結婚したのだ。あまりのことにすすり泣くエリノアに、エドワードははじめて愛を告白した……それから間もなく。ブランドンとマリアンヌ、エドワードとエリノアの二組の結婚式がバートンの教会で行われた。
Elinor Dashwood
Colonel Brandon
Marianne Dashwood
Edward Ferras
John Willoughby
Margaret Dashwood
Lucy Steele
Mrs.Dashwood
Sir John Middleton
Mrs.Jennings
Charlotte Palmer
Mr.Palmer
Fanny Dashwood
John Dashwood
監督
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
衣装デザイン
脚色
字幕
制作補
制作補
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