戦後アメリカのインディペンデント映画運動の旗手である映画作家・詩人・映画評論家のジョナス・メカスが、戦後27年ぶりに故郷リトワニアに帰郷したときの心の震えを捉えた、日記映画にして映像による散文詩。メカスは50年頃からボレックスの手巻き式携帯カメラで日々少しずつ心に残った光景を映像に収めていく“日記映画”の手法を実践している。本作は長編作品としてまとめられた、“日記映画”としては67年に最初のバージョンが発表された『日記、ノート、スケッチ』に続く第二作で、特にメカスの最高傑作として広く親しまれている。これまで日本でも何度か自主上映の形で上映されてきたが、オリジナルの16ミリから、35ミリ・プリントを起こし、初めて字幕を打っての一般劇場公開になる。本作はまずメカスが最初に撮影した50年頃のブルックリン、71年のメカス兄弟の帰郷の模様、そしてその帰途ドイツやオーストリアに立ち寄った際の映像から構成されている。画面に登場する人々は、メカスとその母、兄弟や親類たちのほか(うち弟アドルファス・メカスは映画作家、ジョナスと共同監督した『営舎』でヴェネツィア映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞)、オーストリアの部分ではオーストリアの実験映画作家ペーター・クーベルカ、彫刻家ヘルマン・ニッチ、フェミニスト芸術理論家のアネット・マイケルソン、アメリカの実験映画作家ケン・ジェイコブスら。
ストーリー
※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。