ニコラス・ケイジ
Charlie Lang
善意の警官が当てた宝くじの400万ドルを巡って展開する騒動を軸に、生きることのすばらしさや人情の機微を描いた、ロマンティックなヒューマン・コメディ。往年のフランク・キャプラらの伝統に則ったオールド・ファッション感覚の演出を見せたのは、「ハネムーン・イン・ベガス」のアンドリュー・バーグマン。脚本はエミー賞受賞の脚本家で、劇作家でもあり、コメディエンヌとして舞台にも立っているジェーン・アンダーソン。製作は監督とは長年のパートナーのマイケル・ロベル。ニューヨーク市の100以上のスポットをカメラに収めた撮影は「ナチュラル」のカレブ・デシャネル。音楽は「ボーイズ・ライフ」のカーター・バーウェルで、トニー・ベネットほかのスタンダード曲の数々が絶妙な効果を上げている。主演は「ワイルド・アット・ハート」のニコラス・ケイジと「リトル・ブッダ」のブリジット・フォンダ。共演は「フィアレス」のロージー・ペレズ、ソウル・シンガーとして活躍する、「黒豹のバラード」のアイザック・ヘイズら。
ニューヨーク、クイーンズ区のパトロール警官、チャーリ ー・ラング(ニコラス・ケイジ)は、下町の人気者。仕事熱心で気の優しい彼は、住民たちに親しまれている平凡な生活に満足だった。イヴォンヌ・ビアジ(ブリジット・フォンダ)は下町のコーヒーショップで働く、心根のいいウエイトレス。だが、別居中の夫エディ(スタンリー・トゥッチ)の不始末を被って破産宣告を受けている身。ある日、イヴォンヌの店に立ち寄ったチャーリーは、チップの持ち合わせがなく、「持っていた宝くじが当たったら、賞金の半分を君にあげる」と約束する。なんと、そのくじが400万ドルという大金に当たった。200万ドルの贈り物に、ことのほか喜ぶイヴォンヌ。おとぎ話のような逸話に、マスコミが飛びついた。彼女はコーヒーショップを買い上げ、自分の店を開き、ホームレス用の席を設ける。そんな時、チャーリーが食料品店に押し入った強盗を逮捕した。再び脚光を浴びた彼は、褒賞金の一万ドルを警察遺族会にポンと寄付した。だが、チャーリーの妻ミュリエル(ロージー・ペレズ)は、彼らの善行が気に入らない。派手好きで野心家の彼女は、宝くじ当選者たちが集う船上パーティで出会ったグロス(シーモア・カッセル)という中年紳士にすっかりまいってしまう。一方、船に乗り遅れたチャーリーとイヴォンヌは、2人だけで食事をし、踊るうちに心が通い合っていった。翌日、2人はヤンキー・スタジアムを借り切って子供たちに開放したり、地下鉄の無料乗車券を人々に配ったりして楽しい時を過ごした。しかし、怒りが頂点に達した妻とのいさかいの後、チャーリーは家を飛びだし、イヴォンヌも追ってきたエディから逃れて、2人はプラザ・ホテルで偶然ばったり出会う。メディアは「宝くじが結んだ恋」と書き立てた。全米注目のチャーリー夫婦の離婚裁判が始まったが、400万ドルの所有権は、ミュリエルのものに。落胆する2人。2人にずっと張りついていたタブロイド新聞の記者エンジェル(アイザック・ヘイズ)は、ホームレスの恰好でイヴォンヌの店を訪れたが、失意の時でも彼女は優しく接してくれた。彼が2人の優しさは本物だと書いた新聞記事が大きな反響を呼び、全国から善意の寄付が寄せられ、数百万ドルにも上った。本当の幸せを今こそつかんだ2人は結婚した。
Charlie Lang
Yvonne Biasi
Muriel Lang
Bo Williams
Angel
Jesu
Jack Gross
Eddie Biasi
Sal Bontempo
Walter Zakuto
監督
製作
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
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