パッツィ・ケンジット
Jolin Lidia
父親の遺産を継いだ青年が、2人の謎のブロンド美女に翻弄されるさまを描いたフィルムノワール調の悪女サスペンス。主演女優2人が見事な肢体を披露してみせる、官能描写も魅力の一つ。監督は19歳でUCLAフィルムスクールを卒業し、「ゴーストバスターズ」「2010年」などの製作アシスタントを経て、本作でデビューしたデュエイン・クラーク。脚本はランドール・フォンタナで、着想は40年代のフィルムノワールの名作や、ジャック・ターナー、ニコラス・レイ監督などの諸作から得ているという。製作はスティーヴン・ポールとゲイリー・ビンコウ、撮影はアダム・ケイン、音楽はマイケル・タヴェサが担当。主演は元エイス・ワンダーのヴォーカルで、「リーサル・ウェポン2」「シュリンジ」のパッツィ・ケンジット、「ドアーズ」「心臓が凍る瞬間」「ダリアン」のジェニファー・ルービン、ボールドウィン兄弟の末っ子で「7月4日に生まれて」「黒豹のバラード」のスティーブン・ボールドウィン。彼の兄アダム・ボールドウィンが助演している。
ある田舎街の銀行で強盗が現金を強奪し、客のひとりを射殺して逃亡した。殺された男の息子、トラヴィス・グラハム(スティーブン・ボールドウィン)は、大農場と時価数百万ドルの古いコインを相続した。そんな時、彼の農場に道に迷ったというブロンドの美女ケリー(ジェニファー・ルービン)が現われる。内向的なトラヴィスは、やがて彼女の明るい性格と可愛い魅力に魅かれ、一緒に暮らし始める。数日後、都会的で妖艶な美女ジョリーン(パッツィ・ケンジット)が農場を購入したいと、話を持ちかけてきた。奇しくも、彼女もブロンドだった。ジョリーンの執拗な誘惑に負け、彼女のホテルで一夜を共にしてしまう。彼はケリーに対して後ろめたい気持ちで一杯だったが、数日後、彼の屋敷でケリーとジョリーンが仲良く過ごしているのを見て動揺する。その夜、ジョリーンはケリーがいるにもかかわらずトラヴィスを誘惑し、いつしかケリーも加わって、3人は官能の波に溺れる。一方、トラヴィスの父親を殺した銀行強盗は、近隣の銀行で犯行を繰り返していた。ある日、犯人は警察の執拗な捜査から逃れるため、トラヴィスの農場に忍び込み、ケリーを暴行しようとした。助けようとしたトラヴィスが犯人と揉み合い、彼女は落ちていたピストルで犯人を射殺する。正当防衛だから警察に届けようとする彼を、なぜかケリーは止めさせた。盗んだ現金、ピストル、そして次の銀行強盗計画書を見つけたジョリーンは、トラヴィスにその計画を自分たちでやろうと提案した。戸惑いながらも彼女たちのペースに巻き込まれていくトラヴィスは実行に移し、3人は犯行に成功する。保安官のボビー・ブロディJr.(アダム・ボールドウィン)は、ジョリーンを銀行強盗の一味の女と疑うが、本物は事故死しているのが発見された。その頃、ジョリーンが彼の遺産を手に入れたことを知ったトラヴィスは、彼女に詰め寄る。そこへケリーが現われ、2人は姉妹であることを明かした。最初から全ては計画的だったのだ。トラヴィスに向かって銃を構えるケリー。数日後、ジョリーンとケリーは、煙突から煙が立ちのぼる屋敷を後にした。
監督
脚本
製作
製作
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音楽
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