マイケル・ダグラス
トム・サンダース
女の上司から男の部下に対する、いわゆる“逆セクハラ”を題材に、企業内の権力闘争に巻き込まれる男の姿を描いたサスペンス・タッチの人間ドラマ。「ジュラシック・パーク」「ライジング・サン」のベストセラー作家マイケル・クライトンの同名小説(邦訳・早川書房刊)を、「クイズ・ショウ」のポール・アタナシオが脚色。監督は「レインマン」「バグジー」のバリー・レヴィンソンがあたり、彼の主宰するボルティモア・ピクチャーズの共同製作作品。製作は、監督と原作者の共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは、レヴィンソンの助監督出身のピーター・ジュウリアーノ。撮影は「日の名残り」「依頼人」のアンソニー・ピアース・ロバーツ、音楽は「ウルフ」の巨匠エンニオ・モリコーネ、美術は「妹の恋人」のニール・スピサック。編集のステュー・リンダー、衣装のグロリア・グレシャムは、レヴィンソン作品の常連スタッフ。主演は「フォーリング・ダウン」のマイケル・ダグラスと、「幸福の条件」のデミ・ムーア。共演は「JFK」のドナルド・サザーランド、「クリフハンガー」のキャロライン・グッドール、「ザ・ペーパー」のローマ・マーフィアほか。
シアトルのハイテク企業、ディジコム社の重役トム・サンダース(マイケル・ダグラス)はその日、上機嫌で家を出た。先端機器開発部の統括部長のポストが決定される日で、彼が任命されることはほぼ確実だった。しかし、出社してみると、昇進を見送られた上に、シリコン・バレーの本社から新しい女性上司が来ると知らされ、彼は大きな衝撃を受ける。その上司、メレディス・ジョンソン(デミ・ムーア)は、社の創設者ボブ・ガーヴィン(ドナルド・サザーランド)が目をかけてきた野心溢れる美しい女性だったが、実はトムと彼女は10年前、激しく愛し合った仲だった。その夜、メレディスは自分のオフィスに彼を呼び出し、次第に彼を誘惑する。唇を押しつけ、愛撫する彼女の誘いにトムは負けそうになるが、瀬戸際で思い留まる。「戻って私を抱きなさい」と叫ぶ彼女を振り切り、彼は部屋をあとにした。翌日、トムが出社するとメレディスは会社の上層部に、トムにセクハラされたと訴えていた。経営陣は彼女の申し立てを全面的に支持し、彼は窮地に立たされる。同僚との信頼関係は揺らぎ、妻スーザン(キャロライン・グッドール)は怒りと困惑をぶつけてくる。その頃から、彼のコンピューターに、ただ「友人より」とだけある発信人不明の電子メールがひんぱんに送られるようになる。「友人」は常に、彼に適切なアドバイスを与えた。トムは仕事と幸福な家庭生活、そして自らの誇りと名誉を取り戻すため、セクハラ訴訟では屈指の実績を持つ女性弁護士キャスリーン・アルヴァレス(ローマ・マーフィア)を雇い、メレディスをセクハラで訴えるとして相手側に揺さぶりをかける。その結果、メレディスは折れて提訴を取り下げ、トムは歓喜する。その頃、ディジコム社が革新的な新製品として売り出そうとしているCD―ROMプレイヤーに、重大なトラブルが見つかっていた。製品は合併の目玉であり、このままではトムが責任を負わされることになる。孤独と焦燥の中で真実を探ろうとするトムは、社が社運をかけて開発したバーチャル・リアリティ・システムを使って極秘データの検索を行い、生産ラインのトラブルは、メレディスが指示した結果であることを知る。あの夜、彼女が誘ったことも、全て彼を失脚させようとする、社長も絡んだ陰謀だったのだ。新製品発表会の当日、トムは問題点を追求するメレディスを反対に窮地に追い込み、彼女に勝利する。メレディスは左遷され、トムの同僚の女性が昇進した。「友人」の正体は彼女だった。
トム・サンダース
メレディス・ジョンソン
ボブ・ガーヴィン
スーザン・ヘンドラー
マーク・ルーイン
キャスリーン・アルヴィレス
監督、製作
脚本
原作、製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
特殊効果
字幕
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