ジョニー・デップ
William Blake
「ダウン・バイ・ロー」「ナイト・オン・ザ・プラネット」のジム・ジャームッシュ監督が独特のオフビートなタッチで描く、滑稽にして冷酷で、やがて幻想的に転じる西部劇調のロードムービー。製作はこの映画のためにジャームッシュが設立した12ゲージ・プロで、日本ビクターをはじめ米・日・独の出資をうけて、「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」のディミートラ・J・マクブライドが製作。脚本はジャームッシュのオリジナル、撮影はヴィム・ヴェンダース作品で知られ、ジャームッシュとは「ダウン・バイ・ロー」「ミステリー・トレイン」で組んだ、「豚が飛ぶとき」のロビー・ミュラー。音楽は米国を代表するロック・アーティスト、ニール・ヤング。美術はボブ・ジンビッキ。編集はジャームッシュの常連で「豚が飛ぶとき」のジェイ・ラビノウィッツ。主演は「エド・ウッド」「ドン・ファン(1995)」のジョニー・デップ。共演は『Dark Wind』に出演、先住民運動家でもあるゲイリー・ファーマー、「欲望(1993)」「若草物語(1994)」のガブリエル・バーン、「スターゲイト」のミリ・アヴィタル、「クイック&デッド」のランス・ヘンリクセン、「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」のジョン・ハート、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「女神たちの季節」のクリスピン・グローヴァー、「マーヴェリック」のアルフレッド・モリーナ、ロック・アーティストで「タンク・ガール」にも出演したイギー・ポップほか。特別出演で「狩人の夜」「エル・ドラド」などの名優ロバート・ミッチャムが顔を見せる。
会計士のウィリアム・ブレイク(ジョニー・デップ)は西部の町マシーンのディキンソン鉄工所に就職する予定だったが、到着すると職はなく、社長のディキンソン(ロバート・ミッチャム)にライフルで追い返される。ウィリアムは娼婦のセル(ミリ・アヴィタル)と出会う。二人が寝ているとセルの元恋人チャーリー(ガブリエル・バーン)が闖入、セルはウィリアムをかばって射殺される。ウィリアムは偶然手にした拳銃を発砲、まぐれ当たりでチャーリーを殺して逃亡する。気を失った彼は先住民の流れ者ノーボディ(ゲイリー・ファーマー)に助けられる。セルを撃ち抜いた弾は彼の胸にも達しており、心臓のそばに止まったまま摘出できない。チャーリーはディキンソンの息子で、父は三人の殺し屋コール(ランス・ヘリクセン)、トゥイル(マイケル・ウィンコット)、キッド(ユージン・バード)に息子の仇を追わせる。ノーボディは白人の教育を受けた文学通で、ウィリアムのことを同姓同名の英国の大詩人ブレイクだと思い込む。ディキンソンはウィリアムに公の賞金もかけていた。これが原因で殺し屋たちは仲間割れをし、コールがまずキッドを射殺、ついでトゥイルも彼に食べられてしまう。ノーボディと別れたウィリアムは詩を口ずさみながら拳銃をぶっ放す凄腕のガンマンに変貌、だが体の方は徐々に衰弱していた。ウィリアムはノーボディと再会する。交易所で、ウィリアムは自分が有名犯罪者になっていることを知り、経営者の人種差別的な宣教師を射殺する。ここからは河をカヌーで旅するが、ウィリアムが乗る直前に撃たれる。舟の上で彼の意識は次第に薄れ、先住民の村に到着すると意識を失う。気がつくと、彼は死に装束で葬儀用のカヌーに横たわっていた。ノーボディは微笑みながら、これからすべての魂の故郷に帰るのだという。水面に押し出されるカヌー。ウィリアムは薄れゆく意識のなかで、ノーボディと殺し屋コールが相撃ちで倒れるのを見る。カヌーはそのまま大海原を漂っていく。
William Blake
Nobody
John Dickinson
Charlie Dickinson
Thel Russel
Cole Wilson
Conway Twill
Johnny The Kid Pickett
John Scholfield
Salvatore Sally Jenko
Big George Drakoulious
Benmont Tench
Nobody's Lover
Train Fireman
Train Post Missionary
監督、脚本
製作
共同製作
撮影
音楽
美術
編集
字幕
[c]キネマ旬報社